by 稲田 和絵
『実践カスタマーサクセス』第2期(全14週)が、2021年4~7月に開催されました。
講師陣には、カスタマーサクセス部門を統括する現役リーダー達が企業の垣根を越えて集結。18社30名の受講生は、自社の実務に即した実践的なアウトライン「カスタマーサクセス計画大綱」を作成しました。
プログラム修了からおよそ5ヶ月、それぞれの現場でどのような成果が生まれているのか、受講生のリアルな声をお届けします。
本記事では、株式会社ヤプリの田渕光さんのお話をご紹介します。
受講中、当初の課題であった教育プログラムを完成させたばかりか、Ver.3まで磨き込んだ田渕さん。これは、受講仲間との議論の成果だそうです。受講したことによる効果や受講仲間との交流について、お話を伺いました。
目次
1. この事例のポイント
● 事業が急成長し人材不足が顕著に。人材育成が喫緊の課題だった
● 強制的なカリキュラムに沿って学び、アウトプットまで後押しされる3ヶ月。当初の目的だった教育プログラムは、ver.1の作成に留まらず、ver.3まで改善が一気に進んだ
● 固定の討議仲間4名の存在が大きく、期待以上であった。プログラム修了後もたびたび議論を重ねている
2. 所属企業・担当ビジネスについて
● 株式会社ヤプリ
● 田渕光さんは、カスタマーサクセス部の部長(受講中 2021年7月にマネジャーから部長へ昇進)
● 田渕さんの現在の役割は、カスタマーサクセスの戦略策定とチーム運営
3. 受講開始時の課題を教えて!
カスタマーサクセスとしての業務は順調に進んでおり、お客様も増加していました。ところが、ビジネスが急成長し、人員が不足するにつれ、しだいにカスタマーサクセスマネージャーの負荷が高い状態になってしまいました。
そんな中、コロナの影響で抑えていた採用が、今年に入ってバタバタと進み、チームは拡大期を迎えていました。とにかくカスタマーサクセスチームの人材育成が急務だったのです。
Yappliはアプリ開発・運用・分析をノーコードで提供するアプリプラットフォームで、さまざまな顧客の課題解決に応えることができます。40以上の機能が使えるプロダクトを理解することに加え、幅広い業種業態の顧客を理解しなければいけないため、カスタマーサクセスマネージャーがノウハウやスキルを身に付けるのに、半年から1年ぐらいかかっていました。
当時の教育プログラムは参考資料程度しかなく、あとは基本的にOJTです。アプリの活用提案や分析の仕方、お客様にアプローチするときのロープレのような体系だった教育プログラムはありませんでした。
4. なぜ受講しましたか?
上司が普段から情報収集をしており、ある日、この実践カスタマーサクセスの講座を見つけてきました。そして、上司と一緒に体験講座に参加。私も上司も、内容が充実していそうだと感じ、受講を決めました。
あと、いろいろな人と議論したり、講師の方の考え方に触れたりすることで、自分の視野が広がる可能性を感じたというのも、受講を決めた理由のひとつです。
こういった情報を伝えてくれる上司、後押ししてくれる会社には、いつも本当に感謝しています。
5. プログラム受講後の効果は?
毎週のオンライン講義と付随する宿題などで、カスタマーサクセスについて考える時間を強制的に作ることができました。とても濃密な3ヶ月だったと感じています。
また、他社のカスタマーサクセスの方と議論できたのは、とても価値ある体験でした。自分の考えを整理できたことや、これまで行ってきた施策がよかったのか擦り合わせできたことも、大変有意義でした。
具体的な成果物としては、受講中にカスタマーサクセス人材の教育プログラムを作ることができました。
その後、社内で教育担当をアサインし、体制を確立。受講中に入社した4人が教育プログラムを実践し、早期に独り立ちしたことで、当初の目的を果たすことができました。
ヤプリでは最近、他部署で入社したメンバーをカスタマーサクセスで研修し、プロダクト理解、顧客理解を深めてもらっています。カスタマーサクセスの重要性が社内に浸透していること、そして、受講中に作った教育プログラムがしっかり活用されていることを実感しています。
さらに、一緒に受講した仲間から意見をもらい、講座が終わる頃には、教育プログラムをVer.3までアップデイトできました。3ヶ月では作るだけで精一杯だろうと思っていたのに、改善まで一気に進めることができ、驚いています。
これは、受講することで毎週強制的に学ぶ時間を作り、その環境とスピード感の中に身を置くことができたからだと思います。
また、討議グループ(4名の固定メンバー)の存在は、とても大きかったですね。ここでの議論は、本当に期待以上でした。今でもときどき議論しています。数日前も、「翌期の計画中です。久しぶりに討議しませんか」とSlackで呼びかけがあり、全員がすぐに手を上げていました。
講師の話も、他社の事例など、ここでしか聞けないリアルなトピックがたくさんありました。「他社はこんなふうにやっているのか」と参考にしながら、具体的に自分たちのアクションへ落とし込むことができます。講義で学べる情報の質は、想像をはるかに上回っていました。
6. 受講検討者へのメッセージ
カスタマーサクセスは比較的新しい概念なので、まだまだ壁打ち相手は少ないと思います。
仲間や信頼できる講師と繋がりを作ることのできる機会は、大変貴重です。社外で議論や相談ができるようなつながりを求めている人には、実践カスタマーサクセスの受講をお勧めします。
インプットできる場は多いけれど、実際に行動しなければ意味がありません。実践カスタマーサクセスでは、インプットだけでなくアウトプットへの後押しが非常に強い。後押ししてもらえることで、「やってみよう」という意識が駆り立てられます。
先ほどお伝えしたように、3ヶ月の中で教育プログラムの立ち上げから改善までできたというのは、この後押しによるところが大きかったと思っています。
また、実践カスタマーサクセス修了後のアフターコミュニケーションも活発です。
先日、「インシデント対応」について悩んで、受講仲間のいるSlackへ問合せを投稿したところ、10件を超える丁寧なアドバイスをもらい、驚きました。とても参考になりました。
最後になりますが、ぜひ、多くの方にカスタマーサクセスに挑戦してほしいと思っています。
SaaS企業では、自社のプロダクトや顧客理解を、全社的に進めていく必要があります。それを最も身につけられるのが、カスタマーサクセスです。SaaSビジネスの成長には欠かせない重要なポジションであり、顧客の伴走、プロダクト改善に関われるやりがいのある素晴らしい仕事なので、多くの方にチャンレンジしてもらえたらと思います。
▼カスタマーサクセスに挑戦する人が、知恵と勇気と仲間を手にする実践者コミュニティ「SuccessGAKO」
SuccessGAKO(サクセス学校)はカスタマーサクセスの未来を創る挑戦者を輩出する学び場です。カスタマーサクセスを追求するのに必要な知識を学び、自分で考え、実行することで、自社、顧客そして自身も成功することを目指す人のために誕生しました。経験豊富な講師陣による講義とメンバー限定コミュニティとが共鳴し、一方的な知識の習得でなく、仲間と切磋琢磨しながら行動することに価値をおいた実践者コミュニティです。
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