Success4 インタビュー:顧客体験データでサービスが変わり、生活が変わる

by Orie Maruyama

 

2019年12月3・4日に開催される、日本初のカスタマーサクセスカンファレンス『Success4』の開催決定を記念して、協賛社である『株式会社プレイド』執行役員であり、登壇予定の清水博之氏と、主催のサクセスラボ代表 弘子ラザヴィ氏の対談が行われました。カスタマーエクスペリエンスの可視化により、サービスは、そして人々の生活はどう変わっていくのでしょうか。(取材・文:丸山央里絵、写真:雨森希紀)

 

お客さまをリアルタイムで把握して体験を作る

 

弘子ラザヴィ(以下、弘子):

今日はよろしくお願いします。

とてもお洒落なオフィスですね。まずは会社のご紹介からお願いできますか。

 

清水博之(以下、清水):

ありがとうございます。プレイドは2011年に創業した、「データによって人の価値を最大化する」をコーポレートミッションにしている会社です。

 

弘子:

人の価値の最大化がテーマなんですね。

 

清水:

はい。そして、マーケティングプラットホーム、『KARTE(カルテ)』というサービスを運営しています。

 

リアルな店舗では、お客さまの目を見て会話して、その反応を見ながら、心地よいお客さまの体験を作っていけますよね。でもサイトだと、訪ねてきている人がどういう人なのか分からないという課題がある。そこで、KARTEでは、そこをちゃんと可視化することで、お客さま一人ひとりに適した体験をしてもらうためのサービスを提供しているんです。

 

 

弘子:

なるほど、カスタマーエクスペリエンスをよくするサービスなんですね。

 

清水:

そう、顧客体験。WEBサイトでは、アナリティクスなどのツールを使って、サイト上の履歴に関するいろいろな数値を見ることができる一方、全てが数値として捉えられていて、同じ体験が一律に作られているというのが現状だと思うんです。

 

そこに対して、KARTEはサイトに来ている人それぞれがどういう体験をしているのか、リアルタイムで把握できる。また把握するだけでなく、お客さまに体験を作っていく、コミュニケーションができる、ワンストップのサービスです。

 

弘子:

サービスは、いつから始められたんですか?

 

清水:

2015年3月にリリースして、今はまさに5年目を迎えるところです。

 

ちなみに僕が参画したのは2014年の10月。まだ従業員が10人にも満たない規模の時でした。コンセプトや世界観をお客さまに伝えていくところから参画しました。

 

顧客一人ひとりをストーリーで知る意味

 

弘子:

今まさにもう一段大きく、飛躍していかれる時ですよね。そのタイミングで、Success4に登壇いただくのですが、いちばん伝えたいことって、何でしょう?

 

清水:

そうですね。今、僕たちの提供しているKARTEは、デジタルマーケティングをやっている企業さまがメインのターゲット。そのお客さまと一緒に、お客さまのお客さまである、エンドユーザーの顧客体験を共創しています。

 

ただ企業さまの多くは、売上げや、利益や、ビジネスのパフォーマンスを最大化するミッションで動かれている。なので、数字が見えてしまうと、どうしてもその数字を良くしようと、数字にフォーカスした活動が大きくなってしまう。

 

実際は数字を上げるためには、お客さまを知って、お客さまにとってより良い体験を作っていくことが必要なんですけれど、そこが忘れ去られてしまって、すぐに数字を上げられるハックに走ってしまうケース、多いんじゃないかなって思うんです。

 

弘子:

それって、お客さまが喜ぶことをするよりも、数字を追っちゃうってことですか?

 

清水:

デジタルマーケティングって全部、数字で跳ね返ってくるので、パフォーマンスを最大化しようとすると、例えばPVを最大化するためにどんどん広告を打ったり。

 

弘子:

なるほど、プッシュ型でいくわけですね。

 

 

清水:

そうなんです。結構そういう動きになりがちで。あとメルマガなんかも、打ったら少しは必ず数値で返ってくるので、とりあえず打つ。

 

弘子:

統計学的に。

 

清水:

そうです。ところが一歩、企業を出ると、自分もお客さま側になって、大量に届くメールは無視してもいる。

 

弘子:

ありがちですね。それって、PVなどの分かりやすい数値が見える化されているから、みんなそっちを気にするけれど、例えばお客さまへのエクスペリエンスが数値化されていたら、変わるということですね?

 

清水:

まさに、それです。今までは数字が取れているって言っても、結果の数字ばかりで、中間のプロセスにある「体験」は数値化されていなかった。つまり一人の人にとってどんなストーリーがその体験の中にあったのかまで、分かっていなかった。けれど今後は、そこを把握できているかどうかが大きな差異になってくると思うんです。そこをSuccess4ではお伝えしたいですね。

 

弘子:

具体的にどういうイメージでしょう?

 

例えば私が、KARTEを使っているお客さまのECサイトにいったとすると、何が分かるんでしょうか?

 

清水:

弘子さんがサイトにどういう経路でいつ訪問して、どのタイミングで抜けていったか、すべて分かります。

 

弘子:

履歴が分かる。

 

清水:

はい、そしてリアルタイムで見られるので、「あ、この人今、こういう気持ちになってるんじゃないか」というのを、一対一で発想していくことができる。

 

弘子:

なるほど、買うっていう最後のポイントだけじゃない、そこに至るまでの行動を全て追っていける。それで楽しく見て回っているのかどうかなどを認知行動学的に分析して、場合によってサポートをするイメージですね。面白い!

 

 

清水:

はい、例えば温度感の上がったお客様だけに、チャットで話しかけるということもできるので。本当に店舗の接客と同じなんです。

 

弘子:

エクスペリエンスを可視化して、それに応じて何をするかのアクションまで貴社で提案しているんですか?

 

清水:

いえ、そこは基本、お客さまです。そうしないと、どこも同じサービスになっちゃうので。お客さまの提供するサービスの背景にある想いや理念で、アクションも違ってくるはずなので、そこを考えるのが面白いところなんです。

 

もともとペルソナから体験設計を考えていた、あるマーケティング部署の方が、KARTEでカスタマーを一人ひとり見て、「自分たちのブランドではこういうことをしてほしいのに、ちゃんと伝わってないのが分かったので、こういうことをしていいですか」って。体験を見て、考えて、当ててみる。そんな仕事の仕方に変わられた事例もあります。

 

データの有効活用で、みんなの生活を豊かにする

 

弘子:

貴社は創業以来、特にどういうことに価値を置かれているんでしょうか。

 

清水:

企業さまを通して、その企業さまの先にいるカスタマーの体験を良くしていくことです。それは結果として、カスタマーとしての自分たちの体験を良くしていくことだと思うんですよ。

 

デジタルデータはいろいろ取得できますが、実際に使われる目的は広告のターゲティングだとかで、自分たちの体験が豊かになるための使われ方をほとんどしていない。だからそのデータでより良い体験が作れるように、企業さまと歩んでいく。そうすれば、自分たちの生活も豊かになるって思うんです。

 

弘子:

とても根源的なところですね。

 

清水:

あと、進化の歴史から言っても、人は数字より、人同士で対面した時に得られる情報量の方が圧倒的に多いんですよ。「この人、急いでいるのかな?」とか、「困っていそうだな」とか。数字を見て発想するより、断然得意。

なので、人間がもともと得意なことで成果を出せるよう、オンラインで見えない部分を可視化するんです。

 

 

弘子:

何個売れたか、PVがどうだったかっていうのは、ただの結果の記録でしかない。お客さまをちゃんと見に行かなきゃだめ、ということですね。

 

清水:

そうですね、あとはデジタル化が進み、今一度、顧客に立ち戻るべきだという話もある中で、企業では何が課題やボトルネックになっているのか。Success4にはこれまでお会いできていない方もたくさんいらっしゃると思うので、そういう未来についてディスカッションできるといいな、と思っています。

 

弘子:

やっぱり大手さんほど従来型のモノ売り切りでやってきている面がある。でも一方で、今のやり方には限界を感じてらっしゃる。

 

清水:

今、何に直面していらっしゃるのかとか、いざ動かそうとした時に何が難しいのかとか、そう言ったところをお聞きしてみたいです。もし僕らにヒントが提供できそうであれば、ぜひディスカッションしたいとも思っています。

 

弘子:

モノづくり企業は将来、モノづくりだけでない、サービス会社になっていくはずです。そうして、お客さまと対話するなど直接、接点を持たなければと思った瞬間に、貴社のお客さまになり得ますよね。

 

清水:

それでいくと、今はキリンさまの事例が近いかも知れないですね。

 

これまでは飲料のキャンペーン時だけデータを取得されていたんですけど、すべて点のデータでした。そこから、どういうカスタマーが自分たちのファンなのかを知るために、まず横断のDMPを構築し、次にKARTEも使って、オウンドメディアを含めた全てのユーザーデータをブランド横断の人軸で整理されたんです。

 

弘子:

商品軸ではなく、消費者軸で見ると、当然ながらブランドを横断して利用している。そこを知れることは、大きいですね。

 

清水:

はい、従来では全然分からなかったことが、データが繋がることで見えてくる。そういう声は、あらゆる企業さまから、特に現場から出てきます。

 

弘子:

そうやって見えてきたものを、ブランドやマーケティングや、ひいてはモノづくりにどう繋げていくかが、日本企業のこれからの大きなチャレンジですね。

 

清水:

はい、そんなチャレンジに関わっていけたら最高ですね。

 

 

日本初のカスタマーサクセスカンファレンス『Success4』2019年12月3日(火)・4日(水)開催!

 

『キャズム』『ゾーンマネジメント』著者であり組織理論家のジェフリー・ムーア氏、Box CCO兼上級副社長 ジョン・ヘルシュタイン氏、日本IBM 取締役兼CCO 荒川朋美氏を始め、世界のカスタマーサクセス最前線を切り拓いているリーダーたちが多数登壇する、日本初のビッグイベント『Success4』が、ベルサール渋谷ファーストで開催されます。

 

デジタル社会の到来とともに今、あらゆる業界で「モノ売り切りモデル」から、「リテンションモデル」へと軸足がシフトする中、購入してもらうことではなく、購入を通してカスタマーに本当の「成果・成功」を手に入れてもらうことを成功に導く考え方が「カスタマーサクセス」。

 

あなたも『Success4』でぜひ、変化のきっかけを掴んでください。

 

※事前予約制。詳しくは こちら から

 

(以上)

 

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