カスタマーサクセスに営業が歩調を合わせるべき理由

カスタマーサクセスが浸透している会社では、営業や、マーケティングや、プロダクトといった、従来のコア機能が大きく進化しています。

 

しかし、こと営業とカスタマーサクセスの関係となると、時にトレードオフの議論や唯一絶対解のない議論(短期 vs 長期、ハンター vs ファーマー、数字目標あり・なし、報酬制度、など)もある奥深い分野です。

 

そんな営業、特に新規カスタマーの営業とカスタマーサクセスの関係について、このサイト(カスタマーサクセス2.0など)でお馴染みキアさんの提案をご紹介します!彼女らしくバサーっと言い切ってくれています!

 

ポイントは「営業に合わせる」のではなく「カスタマーサクセスに合わせる」です!

 

注:著者Kia Puhm氏の許可を頂き原文の和訳を紹介します


 

営業とカスタマーサクセスの歩調のあわせ方

 

新規カスタマーに営業するフェーズはとても重要です。それは将来のカスタマーが、あなたのプロダクトがなぜ必要なのか、彼らの事業にどんな価値を上乗せするのかに最大の関心を寄せるタイミングです。

 

つまり営業フェーズは、カスタマーの期待値がセットされるフェーズです。

 

もしも営業フェーズで期待値が正しくセットされなければ、カスタマーにプロダクトを使いこなしもらう(アダプション)フェーズで、いくらカスタマーサクセスが頑張っても限界が残ります。

 

もしも期待値をリセットするような事態になれば、オンボーディングはより難度の高いプロセスになり、もしそこで成功しなければ、そのカスタマーは解約リスクは上がります。

 

このように、カスタマーサクセスの成否(結果として会社の成否)は営業に大きく依存します。

 

私がお付き合いするシニアエグゼクティブの最大の関心は「このジレンマを解決するために、カスタマーサクセスは営業とどう連携できるか?」ですが、それに対する私の答えはこうです:

 

カスタマーサクセスを営業に合わせて連携させるのでなく、営業をカスタマーサクセスに合わせて連携させることです!

 

こう発想を大転換すると、契約締結までの時間を営業はどう短縮でき、カスタマーサクセスの効率をどう上げ、最終的にカスタマージャーニーをどれだけスムーズに流せるか、という問になります。

 

営業に合わせる、となぜ上手くいかないのか

 

営業に合わせる場合、営業が約束した事柄を基軸にカスタマーサクセスが進みます。その場合、往々にして最初の問題が起こります。

 

先にハッキリ断ると、営業は実現不可能なことを約束している、と私は言っていません(しかし、それもたまに起こります)。

 

ポイントは、営業の力点はプロダクトに向かう、即ちプロダクトで何ができるかという点に終始するということです。彼らの話はソリューションが中心で、逆にカスタマージャーニーの話には一切触れません。

 

営業の仕事は、見込み客が現在直面する事業課題を自社プロダクトがどう解決するか示すことであり、プロダクトがカスタマーの社内でどう使われるかのリアリティには踏み込みません。それが営業の現実です。

 

言い換えれば、見込み客があなたのプロダクトを彼らの職場に持ち込むことで起こり得る組織内の変化にどう対処すべきか、といった議論にはノータッチなのです。

 

では一体カスタマーサクセスは、営業の目的とアダプションの目的をどう調和させればよいでしょう?

 

・互いのカスタマーに成功をもたらすため、営業に、カスタマーサクセスが一体何をするのかカスタマーに伝えてもらいましょう

 

・カスタマーサクセスチームと彼らが展開するプログラムを、重要な差別化要因として、営業に活用してもらいましょう

 

そうすれば、営業は、彼らの営業活動に付加価値を追加でき、見込み客からの難題もやりこなせ、結果としてカスタマーに寄りそう営業を推進できます。

 

なぜそうなのか?

 

これまで私は、カスタマーサクセスの成功要因、即ちカスタマージャーニーに関する記事をたくさん書きました。カスタマージャーニーに基づいてカスタマーサクセスを展開し、PDCAを回しながらそれをどんどん改善していけば、カスタマーが望むこと・必要としていることを満たすことができます。

 

即ち、カスタマーサクセスがカスタマーに寄り添うものである限り、カスタマーサクセスのプログラムもカスタマーに寄り添うものになります。

 

もし営業が、カスタマーサクセス&カスタマーサクセスプログラムをうまく引用・紹介しつつ、同社がプロダクトの価値を約束通りどう提供するか説明できれば、結果として、カスタマーサクセス同様に、営業自身もカスタマーへ寄り添うものになります。

 

重要なのは、カスタマーサクセスが営業に対し、彼らが見込み客に営業するタイミングで、カスタマーに予測されるジャーニーを可視化(すなわち、正確な期待値を設定)する方法を伝授することです。そうすれば営業も、プロダクト導入に伴う混乱を心の中で心配することなく、プロダクトが価値提供することに自信をもって営業できます。

 

結論

 

カスタマーの期待値は、営業活動を始めた早い段階でセットされます。このタイミングで正しい期待値をセットできるかどうかは、その後のリテンションやカスタマーが手にする成果の大小に大きく影響します。

 

営業の仕事はカスタマーに、プロダクトが彼らの事業にどんな価値をもたらすのかビジョンを示し、カスタマーサクセスがその約束をしっかり実現してくれるという確信を抱かせることです。

 

契約後にカスタマーサクセスが価値実現をどう支援してくれるか営業が紹介できれば、それはプロダクトの価値提案の段階で強力な追加情報になります。

 

カスタマーサクセスの存在、そして彼らの実行する内容は、激しい競争環境の中で差別化要因となるだけでなく、高い成果を達成したいカスタマーの期待値設定にも寄与します。

 

そして、営業の価値提案に貢献するカスタマーサクセスが拠り所とするカスタマージャーニーに、カスタマーのフィードバックを大いに反映させましょう、それこそが重要な提案です!

 

(原文)

 

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