大企業でカスタマーサクセスを立ち上げた経験からの学び4つ

日本では元気なスタートアップが取り組むカスタマーサクセス。欧米ではスタートアップに加え大企業もカスタマーサクセスチームを次々立ち上げています。Googleのようなスタートアップ気質の企業だけでなく、GEでもIBMでもカスタマーサクセスチームが活躍しています。

 

カスタマーサクセスは組織横断活動が多いので、大企業の場合「大きい」故の難しさがあります。特に立上げ時は組織(人)の思考・行動を変えるチェンジマネジメントが必須です。今回はそんな貴重な四苦八苦からの学びに関する記事をご紹介します。

 

ご覧いただくと分かりますが、4つとも「組織の壁を超えいかに人を動かすか」に尽きます。

 

これから新たにカスタマーサクセスチームを立ち上げる多くの日本企業にとり、「組織の壁を超えて人を動かす」は規模に関係なく共通の課題です。チーム組成中の方だけでなく、これから組成する方も、したばかりの方にも学びがあると思います。

 

なおプロダクトマネジメントとの連携については「プロダクトマネージャー気質なカスタマーサクセスマネージャーの作り方」、営業との連携については「カスタマーサクセスと営業がコラボレーションする時」もぜひご参照ください!

 

注:Strikedeck社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

オンプレミスプロダクトを提供する大企業でカスタマーサクセスを立ち上げた

 

私たちのカスタマーサクセスの旅はまだまだ続きます。今回は高度なテクノロジーを使うオンプレミス型プロダクトラインを持つある大企業でカスタマーサクセス立上げプロセスに携わり、とても四苦八苦した経験からの学びについてご紹介します。

 

学び1:プロダクトマネジメント(PM)チームを早々に巻き込むべし

読者の皆さんは、プロダクトマネジメント(PM)チームの一員ではないと想定して書きます。

 

私はプロダクトマネージャーです。プロダクトマネージャーの私が強く思うのは、PMチームを早々に巻き込むことが最も理想的なシナリオだということです。より詳細はこちらをご覧ください。

 

あるプロダクト、またはプロダクトラインでカスタマーサクセスを完璧に展開したいなら、主なPMチームを完璧にフル巻き込みすることが不可欠です。私を信じてください:プロダクトについてあなたが知る以上により詳細な内容を理解しなければならない時が必ず来ます

 

誰がそのプロダクトのSME(Subject Matter Expert)なのか知り、彼らにいつでも相談できるようにすれば、あなたはいつか彼らから大いに助けられるでしょう。ぜひ経営チームに、最適なプロダクトマネージャーまたはテクニカルマーケティングエンジニアの名前を紹介してくれるよう依頼してください。

 

あなたがもしPMチームに所属していて、販売中のプロダクトがハードウェアで、かつカスタマーの支払いも終わっている場合、あなたがしようとしていることが事業収益にどんなプラスをもたらすのか、経営陣を納得させる必要があります。

 

カスタマーサクセスチームが使うヘルススコア他の指標をどう設計すべきかは、改めて詳しく説明しますが、それらの指標は、PMチームの巻き込みと足並みを揃えて設計する必要があります。具体的には、NPS、CSAT、リテンション、アップセル、クロスセール、収益リニューアルなどに関する指標です。

 

学び2:営業の巻き込みも必要不可欠

もう一つの重要なパズルのピースは営業チームです。彼らを完璧に巻き込むことです。それには共通ビジョンと共通目標を設定し合意する必要があります。

 

共通ビジョンにあわせ、誰がこの活動をリードするのか明確に伝えてください。なぜなら、カスタマーサクセスのプロセスには多くのチーム、例えば営業、サービス、プロダクト、プロフェッショナルサービスなどが関わる場合、混乱が生じやすいため注意が必要だからです。カスタマーサクセスは、混乱を抑えるべく交通整理の役割を果たすべきなのです。

 

あなたがすべきことを1つ挙げるなら、営業チームが使える宣伝資料を準備することです。営業チームは、最大の味方であると同時に、最大の批評家でもあります(ちなみに、それはある意味で素晴らしいことです ー 事業部の全体目標を共有している情熱的な人たちは非常に貴重な存在です)。

 

営業チームにとり、とにかくお金、$$マークが他のどの指標より重要です。金額は控えめに、案件やカスタマーに関する情報はより深く掘り下げて伝えれば、あなたが期待する返答が得られます。壊れたラジオのように繰り返します、あなたがするあらゆる活動を金額($マーク)とカスタマーに関する数字に関連付けてください!

 

学び3:社内に独自のカスタマーサクセス人脈を作るべし

組織の壁を超えて仲間と繋がることに多くの時間と労力を使ってください。あなたと同じくらいカスタマーへ成果をもたらすことに情熱を持つ人を探しましょう。

 

要するにスーパースターたちを見つけるのです。スーパースター候補を見つけ、彼らがカスタマーへ成功や幸せをもたらすことに全力を傾けたくなるためなら何でもしてください。例えばコーヒーや昼食をご馳走したり、あなたの情熱を駆使して彼らが仲間に加わりたくなるよう勧誘するのです。

 

人は皆、私に思いもよらない分野の仲間たちが大勢いることに驚きます。IT、カスタマーサポート、セールス、プレセールスなどなど、あらゆる分野に、単に気になるからと言うだけで無償で手助けしてくれる仲間たちがいます。彼らはどんなことでも役に立てるなら喜んでしてくれます。それが彼らの仕事でなくインセンティブも一切ないにもかかわらず!

 

今後も私のカスタマーサクセス人脈にたくさん仲間が集まっていくらでも支援が得られるでしょう。こういう貴重な仲間ネットワークをつくれば、あなたの仕事は少なく見積もっても今より3倍は楽になります。

 

学び4:小さな成功事例を屋上から大声で宣伝すべし

あなたがプロダクトマネージャーか、またはプログラムマネジメントが嫌いなカスタマーサクセスリーダーなら悪い知らせがあります。あなたの活動に関与する機能部門は山とあることを忘れないでください。毎週、毎月、定例会議を持ち、各活動のSLAを確立することが重要です。

 

一言で言います。

OVERCOMMUNICATE:? 過剰なくらい多くコミュニケーション機会をもちましょう!

 

あなたが達成した小さな成果も大きな成果もすべて共有し、カスタマーサクセスの旅に多くの人を巻き込む必要があります。ブログ、社内報の記事、ニュースレターなどで、あたなの活動成果の最新記事を常に宣伝しましょう。

 

はい、それは確かに負荷の多い仕事です。ですが、とても大事な必須の仕事です。記事の発信に関わった人たちはあなたと一緒に成果を祝ってくれるでしょう。1人でも多くの人に、自分は成果を祝福する輪の一員だと感じてもらえたならパーティーはより楽しくなるものです。

 

最後に、あなた自身がコミュニケーションを楽しむことを忘れないでください。

 

(原文)

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