「カスタマーサクセス」を通じて、挑戦する人たちがフェアに報われる社会をつくりたい -弘子ラザヴィ-

 

米国で「カスタマーサクセス」と出会い、そこにビジネスの本質を見出して日本で起業した弘子ラザヴィ。彼女はなぜ「カスタマーサクセス」という領域に惹かれていったのか。そしてどのような信念を持って「SuccessGAKO」というサービスを提供しているのか。原体験を紐解きながら、自身の言葉で語ります。

 

「カスタマーサクセス」との出会いは突然に

 

私が「カスタマーサクセス」と運命的な出会いを果たしたのは、2016年のこと。

 

スタンフォード経営大学院の起業家養成プログラムである「Ignite(イグナイト)」に参加するため、米・シリコンバレーに滞在していたときのことでした。

 

当時、私は起業を志していて、自分が取り組むべき事業を模索していました。

 

経営コンサルタントとして働きながら、事業アイデアを考案し、さまざまなビジネスコンテストに参加するなど、起業に向けた活動に邁進する日々。とはいえ、なかなか市場のニーズとタイミングが噛み合わず、思うような結果に結びつかない日々が続いていたのです。

 

しかし、重要な出会いというものは、本当に思いがけずに訪れるものです。

 

シリコンバレー滞在中、たまたま足を運んだとあるサミットのテーマが、ほかでもない「カスタマーサクセス」でした。そしてその場には、米・カスタマーサクセス領域の要職にいる人たちが大勢集まっていたのです。

 

そこでカスタマーサクセスの考え方に触れた私は、これこそがビジネスの本質であり、これからの日本企業にとって必要不可欠なものになると確信しました。

 

私が注力すべき事業領域が何か、このときはっきりと心が決まったのです。

 

新しいビジネス領域だからこそ、等しくチャンスが開かれている

▲2019年に開催した日本初のカスタマーサクセス カンファレンス「Success4」

 

カスタマーサクセスを事業化するには、日本における市場の啓蒙・創出からはじめる必要があります。そのため、当時はまだまだスケールが見込めるビジネスではありませんでした。もし私が若手の起業家だったら、もしかするとこの事業領域を選択することはなかったかもしれません。

 

それにも関わらず、私がここまで強くカスタマーサクセスに惹きつけられたのには大きく2つの理由があります。

 

1つは、これからの時代、すべての企業が取り組むべきビジネスの本質であると感じたこと。今まで私を育ててくれた日本企業に、カスタマーサクセスという概念の本質を伝えることが、一つの恩返しになるのではないかと考えました。

 

そしてもう1つは、ビジネスとしてまだ新しい領域であるため、例えば性別や業界経験などは一切関係なく、誰に対しても等しくチャンスが開かれていたことです。

 

私がアメリカで出会ったカスタマーサクセス領域で活躍している人たちは皆、目をキラキラと輝かせながら、非常に熱量高く自分たちのチャレンジやこれからの未来について語ってくれました。

 

彼・彼女らと触れ合ううちに、ずっと抱いていた私自身の想いと、カスタマーサクセスの世界とがリンクしていったのです。

 

それは「挑戦する人たちが、フェアに報われる社会をつくりたい」という願いでした。

 

「チャンスは公平に与えられるべき」もどかしい経験をした10代

 

私が10〜20代を過ごしたのは、仕事も教育も、家庭においても、男尊女卑の考え方がまだ残っていた時代でした。そうした社会に対して、私は10代の頃から疑問や憤りを感じていました。

 

海外の高校に留学したい。大学受験にむけて塾に通いたい。国家資格を取得したい。何かに挑戦しようとする度に、私は周囲を説得する必要がありました。「女性である」というだけで、道を阻まれることも数多く経験してきました。

 

そんな環境に育った私は、チャンスは誰に対しても公平に与えられるべきだと強く思うようになったのです。

 

カスタマーサクセスの領域なら、この想いを実現できる。直感的にそう感じた私は、2017年、アメリカから帰国してすぐに、「サクセスラボ株式会社」を設立します。

 

さっそく周りのコンサルタント仲間にカスタマーサクセスについて話してみたものの、思うように理解を得られず、私は危機感を募らせていきました。

 

未開拓な日本市場。これから先、市場の啓蒙に注力しても、カスタマーサクセスのマーケットが日本で大きく花開くかどうかはまだ未知数です。私自身も未だに、もどかしい気持ちを多々抱えながら事業に取り組んでいるところです。

 

しかし少しずつではありますが、カスタマーサクセスの重要性に気付いた人たちが、私たちの周りに集まりはじめています。その起点となっているのが、「SuccessGAKO(サクセス学校)」です。

 

チャレンジャー同士が響き合う、コミュニティに集う仲間たちと共に

 

 

「SuccessGAKO」は、カスタマーサクセスに挑戦する人が、知恵と勇気と仲間を手にする実践者コミュニティです。

 

講師が一方通行で講義を行うのではなく、受講者同士の討議体験を重視した双方向型のオンラインプログラムを提供。多彩な講師のみなさんの協力を得て、2020年9月に第1期生を迎えることができました。

 

何よりも重要なのは、プログラムを受講して「学びになりました」で終わるのではなく、そこからどう自分の行動を変え、周囲を巻き込みながら成果につなげていくのか。私たちは今、講師や受講生のみなさんと交流を深めながら、お互いに成長していく喜びを仲間たちと共有する場所を作ろうとしています。

 

すでにプログラムを受講し、自分自身の仕事で成果を出している人も複数います。「おかげで成功しました!」「昇進しました!」などと卒業生からうれしい報告を受ける度に、私はまるで自分の子どもが受験に合格したような気持ちを味あわせてもらっています。受講生たちのネットワークも、着実に広がりつつあります。

 

私はこの「SuccessGAKO」というコミュニティを、チャレンジャー同士が響き合える場所にしたいと思っています。

 

真剣に社会の変革を目指そうとする人、自分の使命に対して本気で取り組んでいる人はもちろんのこと、これまで偏見や古い固定観念によってアンフェアな経験をたくさんしてきた人たちにも、ぜひ参加してほしい。そう強く願っています。

 

「カスタマーサクセス」を日本に広める、私たちのチャレンジはまだまだこれからです。しかし未来を予測することは難しいけれど、創ることはできるのです。他でもない、自分自身の手で。

 

Text by Yu Oshima  / Edited by Keita Kubo

 

▼カスタマーサクセスに挑戦する人が、知恵と勇気と仲間を手にする実践者コミュニティ「SuccessGAKO」

 

 

SuccessGAKO(サクセス学校)は、日本のカスタマーサクセスの未来を作る変革リーダーを輩出するための学び場です。カスタマーサクセスを追求するビジネスパーソンが、知識や知恵を学び、考え、実行することで、自社、顧客そして自身も成功することを目指します。経験豊富な講師陣による講義と、メンバー限定コミュニティとが共鳴し、一方的な知識の習得ではなく、仲間と切磋琢磨しながら実践することに価値をおいた実践者コミュニティです。

 

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