デジタル時代に必須の新しい営業のあり方: カスタマーマーケティング

カスタマーをファンにさせられない事業はやがて終わりを迎える、が常識なデジタル時代に突入しました。そんな時代の新たな成長エンジンである「カスタマーサクセス」は、”売ってからが勝負” の時代に必須の “哲学”・”新しい組織能力”・”新たな職種” として、多くの成長企業の注目を集めています。

 

実は同時にその裏で、従来のコア機能である「営業」や「マーケティング」などの役割・業務も大きく変化しています。

 

日本で「新しい営業」というと、「インサイドセールス」や「ABM」などがホットですが、それらは日本に浸透し始めた営業 “手法/ How-to” の1つでしかありません。意味がないとは言いませんが、むしろ欧米では既に常識的に実行されていて、「早く身に付けましょう」という類のものです。

 

デジタル時代の営業を考えた時、より本質的に重要なのは、「カスタマーをファンにさせる」を全社目的として土台に据え、「カスタマーサクセス」を重要なハブ機能として確立した上で、デジタル時代に必須な「新しい営業のあり方」を追求することです。

 

とした時、皆さんはどのような答えをお持ちでしょうか?

 

SaaStr社の創業者であるジェイソン・レムキンさんは、「カスタマーマーケティングだ!」と叫んでいます。?今回は、Gainsight社のCCO(チーフカスタマーオフィサー)でお馴染みアリソンさんが、敢えて営業視点に立ち戻って考えた、「新しい営業のあり方」をご紹介します。

 

注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

LinkedInにある投稿をアップしました

 

“営業ご担当の皆さんへ:面識のない方から営業メールが届いたとしましょう。私の場合、その会社のプロダクトを使って成功しているカスタマーを紹介するという提案があれば、思わず回答したくなります!”

 

この投稿は、実に160,000件以上のビュー、790件のライク!、55件のコメントを受け取りました。明らかに、皆さんの琴線に触れたようです。

 

私の意見に全く同感だ、というメッセージを山ほど受け取りました。以下はそのうちのほんの一握りです:

 

・” 質の高いカスタマー事例の紹介をした場合の eメール A / Bテストでは、開封率が倍増しましたよ! CTR(訳者注:Click Through Rateの略。クリック率ないしクリックスルー率;インプレッション数に対するクリック回数の割合)やコール率も同じです。 🙂 ”

 

・” 相手と同じ業界の人たちが得た価値を紹介することで、営業のアウトリーチをカスタマイズできますね。 ? これは凄い重要な点です! ”

 

・” 営業マンとして私は、透明性を高めることが何より重要だということに完全同意します。事例紹介に喜んで協力してくれる担当カスタマーのB2Bのマーケティングリストをもてている私は非常にラッキーです ”

 

・” これは、仕事に留まらず、人生のルールな気がする。「僕たち友人になった方がいいと思うよ。僕と友人になるといいと推薦してくれる僕の親友を紹介できるよ」とか、「デートしよう。僕との関係はよい想い出だと証言してくれる僕の元カノを紹介できるよ」という具合にね “

 

しかし、私にとって最も興味深かったのは懐疑論な反論コメントでした。 以下は一例です:

 

・” 大抵の企業は、営業担当者が既存カスタマーへアクセスするのを制限してますよ ”

 

・” ある企業にしていることは、他の企業の事業ニーズと全く異なる可能性が高いです ”

 

・” 既存カスタマーから私たちの新規営業への協力(リファレンス)を貰うなんて永遠に無理 ”

 

・” カスタマーとは、常に自分の意見を公にしたくないものですよ ”

 

・” あなたが経営課題について僕との会話に投資する立場にないなら、率直に言って、あなたと話すのは全く時間の無駄です “

 

ふー!特に最後のコメントは胸にグサっときます。

 

ここで強調したいのは、営業担当者は現実に目覚める必要がある?という点です。 理由は以下の通り。

 

バイヤーとしての経験

 

先日、サンフランシスコ、ベイエリアのルート92と101号線が交差し渋滞が常態化している道をドライブした後に会社に到着しました。直後に開いた受信箱には次のメールが届いていました:

 

?

 

メールをチェックしてる最中、最初はイライラ(「ポイントは何?!」)、次にストレス(「そんな時間はないのよ!」)、最後には営業マンへの同情(「可愛そうなアカウント責任者 …」)という具合に感情の変遷を経験しました。

 

誤解しないでください。私は営業の人たちが大好きです。彼らのしていることに対し敬意をもっています。返答してくれない人が大嫌いな気分もよく分かります。

 

私自身、営業チームをリードした経験があります。最初の営業経験は Cutco社のナイフ販売でした(文字通り「ナイフで一杯の鞄」を持ち歩いてました)。営業担当者の忍耐強さに大きいなる賞賛を抱いています。

 

そんな私が、この営業さん3名をとても心配に思いました。なぜなら、彼らのeメールは効率的・効果的とは程遠いものだったからです。

 

正直、これらのメールから、彼らがどう私の役に立つのか全く伝わってきませんでした。彼らの想いが強いのは分かるのですが、彼らが私の役に立つとも思えませんでした。

 

なので、その日は「アーカイブ」ボタンを押し、予定のミーティングに向かったのでした。今では、以下のGmailボタンに愛着を感じます。

 

 

あなたは 「アリソン、それ本当に確か? 彼らの提案は素晴らしい機会だったかもしれないよ?!」と思うかもしれません。でも、私は自分の判断に1ミリも疑いをもっていません。

 

なぜなら、本当に私の役に立つプロダクトならば、私のネットワークを通じてとっくに耳にしているはず、と確信しているからです。友人、クライアント、似たような仕事をしている知人、投資家、誰であろうと私が信頼する誰かが、きっと私に話してくれているはずです。

 

・カジュアルなお喋りの最中に「このプロダクトを実装して大変革したんだ。結果、今期はすばらしい四半期だったよ」と言うでしょう

 

・困った時は、詳しい友人に「この問題をどうやって解決しました?」と尋ねます。彼らはきっと「このプロダクトをチェックするといいよ。僕らも大いに助かった」と教えてくれるでしょう

 

・またはLinkedInへ、「誰か、XYZのために良いプロダクト教えてください!」と投稿します

 

確かに、私のネットワークは普通の人より幅広く、テクノロジー界への繋がりも強いかもしれません。でも決して、私だけの話ではないと思います。

 

つまり、あるプロダクトの購入を検討する際、一般の情報ソースよりも、信頼する人の口コミを重視するのは私だけでないはず、と確信するです。

 

目覚めるべき重要ポイント

 

以下はより厳格な事実です:

 

・同僚や同僚は、購買意思決定における最初の「発見」ステージで情報収集する際の第1位の情報源です(出典:Forrester)

 

・リファレンスは、他のタイプのリード案件と比較した時、リードから契約へのコンバージョン率が最も高いです。営業が創出するリード案件に比べるとその差は約4倍です(出典:eMarketer)

 

先述の、私のLinkedIn投稿に対するコメント( ” あなたが経営課題について僕との会話に投資する立場にないなら、率直に言って、あなたと話すのは全く時間の無駄です ” )に話を戻しましょう。

 

彼の指摘するポイントはこうです:
「僕らは、最適な見込み客を絞り込んでいて、最良の営業機会に時間を集中させている」

 

一方、私が重要だと思うポイントはこうです:
「恐らく、私はあなたの適格基準をすべて満たしている。課題を抱えていて、予算と意思決定権も持っている。でも、電話を求められても、私はあなたのパイプラインで前進する気はない。もし、あなたのプロダクトを使っているカスタマーの「口コミ」に触れる機会をくれるならパイプラインを前進するかもしれない」

 

目覚めるべきポイント#1:

見込み客は、営業担当者よりも、彼らの既存カスタマーと話がしたい

 

目覚めるべきポイント#2:

現在の購買決定者は以前よりも強いパワーを握っている。現在の見込み客は、既存カスタマーと接触することを要求する力がある。それが認められなければ、あなたと話す気にならない。彼らの要求を拒否する営業担当者は、本当は取れるはずの営業機会を逃すことになる。

 

つまり、今こそ営業のやり方を変える時なのです

 

さて “目が覚めた” 今、LinkedIn投稿への他のコメントに話を移しましょう。

 

以下のコメントはすべて、既存カスタマーを新規見込み客に紹介することがとても難しい、という指摘です。

 

1. ” 大抵の企業は、営業担当者が既存カスタマーへアクセスするのを制限してますよ ”

 

2. ” ある企業にしていることは、他の企業の事業ニーズと全く異なる可能性が高いです ”

 

3. ” 既存カスタマーから私たちの新規営業への協力(リファレンス)を貰うなんて永遠に無理 ”

 

4. ” カスタマーとは、常に自分の意見を公にしたくないものですよ ”

 

これらはすべて解決できます。どれも戦術的な解決策がある戦術上の問題です。

 

1. ” 大抵の企業は、営業担当者が既存カスタマーへアクセスするのを制限してますよ ”
→ 解決策#1 成功しているカスタマーに光を当てる

 

2. ” ある企業にしていることは、他の企業の事業ニーズと全く異なる可能性が高いです ”
→ 解決策#2 見込み客に最適な既存カスタマーを紹介する

 

3. ” 既存カスタマーから私たちの新規営業への協力(リファレンス)を貰うなんて永遠に無理 ”
→ 解決策#3 既存カスタマーからリファレンス許可をクイックに入手する

 

4. ” カスタマーとは、常に自分の意見を公にしたくないものですよ ”
→ 解決策#4 成功している既存カスタマーを総動員する

 

以降、これらの問題を解決するために弊社が行っている方法をご紹介します。

 

弊社では、”カスタマーマーケティングチーム” が営業チームとカスタマーサクセスチームの業務を横断的に調整する役割を担うことで、既存カスタマーへ成果をもたらすと同時に、それを新規カスタマーの開拓・獲得へと繋げています

 

解決策#1:成功しているカスタマーに光を当てる

 

最悪なのは、不満を抱えるカスタマーを見込み客へ紹介してしまうことです。誰が成功し満足しているカスタマーか正確に理解しましょう。

 

成功しているか確認するには、弊社ツールのC360頁、またはSalesforceツールのAccount/ Opportunity頁にあるGainsight営業ビューのいずれかで、各カスタマーのヘルススコアをチェックできます。

 

 

解決策#2:見込み客に最適な既存カスタマーを紹介する

 

弊社の営業チームは、弊社ツールの NameDrop機能を活用することで、どのカスタマーがどの見込み客に類似しているかをクイックに把握します。弊社ツールの Sales View、SalesforceツールのAccount / Opportunity頁でアクセスは簡単です。たとえ準備できていなくても、既存カスタマーに関する知識をざっと知ることができます。

 

NameDrop機能を使えば、既存カスタマーや見込み客のデータに基づき、業種、地域、規模など主要属性の一致度合いを識別できます。アカウント責任者は、担当カスタマーのヘルス度合や、企業名を共有できるかどうか簡単に確認できます。

 

アップグレードされたNameDrop機能では、カスタマーの連絡先と詳細情報(ケーススタディ、ビデオ、ウェブセミナーなど)も参照できます。そこから、類似の健全なカスタマー名に加え、リファレンスしてくれる人の名前も把握できます。

 

解決策#3:既存カスタマーからリファレンス許可をクイックに入手する

 

既存カスタマーからのリファレンスをクイックに入手するプロセスがなければ、それは非常に大きな機会損失です! バイヤーは通常、既存カスタマーと繋がるのに時間がかかるほど、御社プロダクトを採用することへの確信を失います。

 

弊社ツールのリファレンス機能を活用すれば、1週間かかったリファレンスコールの調整プロセスを1日に短縮できます。更に、見込み客の業界や適用事例、事業規模などに最適なリファレンスが可能になり、質も大幅に向上します。

 

・リファレンス依頼/ CTA(Call to Action):営業担当者がリファレンスをクイックに調整するのに必要な情報を依頼するために設計されたCTA

 

・アドボカシーダッシュボード:リファレンス担当マネージャーがクイック検索可能な 、必要な属性情報やヘルススコア情報などを見れるダッシュボード

 

・リファレンス手順: リファレンスプロセスのどのステップを誰が担当するかがハッキリする、リファレンス依頼プロセス/手順

 

解決策#4:成功している既存カスタマーを総動員する

 

皆さんの会社には皆さんのプロダクトを使って成功している既存カスタマーさんが沢山いらっしゃいます。しかし彼らを、あなたのブランドを推薦してくれるファンに変換できていますか?

 

それには、ボイス・オブ・カスタマー(VoC)プログラムが必要不可欠です。

 

弊社のカスタマーマーケティングチームは、弊社ツールのサーベイ機能を使ってNPS調査を行い、同ツールのコックピットのプレイブック機能を使ってCSMにカスタマー対応をフォローアップし、プロモータを追跡して弊社を紹介してくれる機会を最大限活用しています。

 

「友人や同僚に私たちを推薦する可能性は?」という質問に、9または10を期待して回答してもらった時、私たちは結果を改善する方法を確実に見つけられます。

 

次のステップ

 

さて、まずは何から始めましょう?

 

既存カスタマーの協力を活用した営業プロセスをどう構築すべきか考えるのに助けが必要なら、私たちはいつでもご協力します。お声がけくだされば、御社の検討しているプロセスを評価し、改善策をご提案します。そして何より、私は喜んで弊社の既存カスタマーをいつでもご紹介しますよ!

 

(原文)

 

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