カスタマーサクセス と カスタマーサポート、どっちが先?

カスタマーサクセスに全力を尽くすSaaS創業者の必読バイブル」でお馴染み、HubSpotのマイケルさん。先の「カスタマーサクセス vs. カスタマーサポート」に続き、今度は「どちらを先に着手べきか?」に関する彼のアドバイスをご紹介します。

 

結論は「サポートが先だよ!」ですが、最後には2023年の大予測もあってワクワクします!

 

注:著者Michael Redbord氏の許可を頂き原文の和訳を紹介します


 

カスタマーサポートがカスタマーサクセスより先に必須な理由

 

カスタマーサポートとカスタマーサクセスは密接に関連するものの、この2つは明確に異なる業務です。そしてカスタマーは、両機能それぞれに大いに期待します。

 

質問

カスタマーが最も必要とするのはどちらですか?カスタマーサポートですか、それともカスタマーサクセスですか?

 

答え

2018年現在、素晴らしいカスタマーサポート機能は企業の原動力です。創業初日からしっかり稼働する素晴らしいサポート部門を用意してください。その後に、素晴らしいカスタマーサクセスチームを用意しましょう。

 

優れた両機能を同時に構築することはできません。さて、どちらから着手すべきでしょう?

 

 

素晴らしいカスタマーサポート機能が創業初日から必須な理由

 

成功する企業にはいくつかパターンがあります。SaaS向けのHacker Newsを一日中読んだり、B2C事業者向けのShark Tankを観たり、近所の親切なベンチャーキャピタリストと話すと分かります。業界を超えあらゆる事業に適用可能な成功&成長の規範パターンがあります。

 

そういった規範パターンに沿って事業展開した場合、恐らくあなたは以下を経験します:

 

1. 競争
競合と激しく戦います。競合はあなたの先を行き、より洗練されていて、恐らくあなたよりこのリストの先にいます。

 

2. プロダクト開発
初期プロダクトの開発に大半の労力を注入し、その後はリーンスタートアップの原則を緩やかに踏襲して学習-測定-構築の反復サイクルを何度も回します。

 

3. プロダクト”機能”体験の提供
カスタマーはプロダクトが常に正常に動作することを期待します。プロダクトを常に機能させることは、お金を支払ってくれたカスタマーに対する義務です。カスタマーは払い戻しを要求しません。

 

4. 道中のヘルプ要請
カスタマーはプロダクトが機能しない時、ヘルプが必要な時、払い戻しが必要な時、その他問い合わせが必要な時、あなたの会社が常にそれに応じることを期待します。

 

カスタマーサポート機能が優れていることは、デジタル時代に事業を営む企業に対する標準的な期待値です。競合の中には最低1社、優れたサポート機能を備えた所がいます。自前でもてない場合、Amazonのように毎日利用するソリューションベンダーから優れたサポート機能の支援を得ています。

 

5. 価値の提供
プロダクトが正常に機能し、それに伴うカスタマー経験も良好な場合に初めて、カスタマーが期待した価値をきちんと提供できたことになります。これは経済性に基づく期待値です。

 

6. 価値値の拡大
カスタマーは当初期待した価値を一旦得られると、更に高い価値が提供されることを期待します。これは企業行動への期待値です。カスタマーの期待値がこのように拡大するのは想定内のことです。

 

 

カスタマーサポートは3番と4番、カスタマーサクセスは5番と6番のカギを握ります。

 

“素晴らしいカスタマーサポート機能は成功の原動力であり、重要な競争優位の源泉です。絶対に無視してはいけません”

 

2018年の現在、 素晴らしいカスタマーサポート機能は成功の原動力であり重要な競争優位の源泉です。

 

もしあなたが新規参入者なら、確実に既に複数の競合が市場から固い支持を得ています。それを決して無視してはいけません。

 

もしも無視した場合、”カスタマーサクセスマネジャー”とか、”カスタマーサクセス”という名前のチームメンバーが山ほどいる、その他大勢の企業と同類の輩になります… 即ち、彼らは常にヘルプ依頼とサポート問題に一日中引き回され、より高い価値の提供や価値の拡大に焦点を当てた仕事をできていません。

 

これは混乱を招くだけの企業経営です。

 

素晴らしいカスタマーサポート機能なしで競争に勝とうとするのは ROIが非常に悪いカスタマーサクセスの進め方です。

 

 

成長中の企業はいつカスタマーサクセス機能の強化に注力すべきか?

 

素晴らしいカスタマーサクセス機能の構築に着手する最適のタイミングはいくつかあります。

 

例えば:

 

1. サポート機能構築の後
素晴らしいカスタマーサポート機能を用意できると、サービスチームによる働きのプラス効果をより拡大したくなります。その時が1つの理想的なタイミングです!

 

ここでサクセス機能を強化すば、カスタマーの要求の常に一歩先を行くことができます。それはあなたも望む正しいやり方です。

 

会社が小さいうちは、素晴らしいサポート機能といっても複雑に考える必要はありません。数週間で構築できるレベルのことです。
(現実は、基本的なサポート機能を確立し新規カスタマーの世話が終わった途端、サービス機能強化を止める企業が多いです。そういう企業はCFOのパワーが強かったり短視眼なビジョンを持つ傾向があります)

 

2. プロダクトの複雑になった後
プロダクトの複雑性が一定レベルに達すると、ユーザーはプロダクトから獲得する価値を最大化するのに人の援助を必要とします。通常、「チャーン削減」という使命が設定され、オンボーディング活動や目標付きのヘルプ活動に近い内容になります。

 

目標に使われる指標は、アクティベーション、アダプション、チャーン率などです。

 

3. 非常事態になった時
プロダクトの複雑性問題を上手く乗り越えられないと、事業が成長する過程で必ずチャーンスの爆発と大混乱の嵐に見舞われます。その時は、既存アカウントを管理するチームの組成が絶対的に必要になります。

 

この「非常事態」を回避できる企業もなくはないです。しかし急成長する企業の場合、(大規模なサポート機能を確立した直後)早々に組織化された素晴らしいカスタマーサクセス機能なくして非常事態を回避するのは不可能と思ってください。

 

4. ROIが見込めるようになった時
新たな提案/ 収益の機会が大きく広がると、アップセルやクロスセルの機会がやってきます。その時こそ、カスタマーサクセスをパワーアップする絶好のタイミングであり、基本的に良いROIを見込めます。

 

アップセル率やPPR(Pipe Penetrating Radar)といった指標が重視されるようになります。

 

5. 長期戦が始まった後
アップセル率が安定し、収益機会の拡大と共により多くの既存カスタマーを維持できるようになると、カスタマーサクセスの活躍が再び期待されます。

 

先の2番や3番と同様、チャーン削減が目標ですが、この時点ではオンボーディングが無事終わっていて、むしろプロダクトが順調に利用され始めて以降の非常に長期的な価値のデリバリに重点が置かれます。

 

再契約率、リテンション率、TLVに加え、NPSが主な指標として非常に重視されます。

 

 

繰り返します:カスタマーサクセス強化が求められるのは大抵、会社が成長し、重要なマイルストーンに到達し、または事業が新たな境地に達した直後です。

 

”素晴らしいカスタマーサポート機能は初日から必要。それができた直後が、素晴らしいカスタマーサクセス機能の構築に着手する絶好のタイミング”

 

大変化を迎える日を予測する

 

2023年までの今後5年の間に、素晴らしいカスタマーサクセス機能をもつことが、成功に必要不可欠な原動力・競争優位の源泉・強力な武器になると予想します。

 

ちょど2018年に、素晴らしいカスタマーサポート機能が成功に不可欠になったのと同じです。

 

カスタマーに対する提供価値を追求する企業の進化とそれを支えるカスタマーサクセス産業の発展があまりにもスピードが早く効果が大きいため、そう予想しないことに無理があります。あなたがこの記事を読んでいる最中にも大変化への行進が続いています。

 

カスタマーサクセスが今日のカスタマーサポートのような強力な武器になったら、私は小さなパーティーをひらいてお祝いする予定です! カスタマーサクセス業界に身をおく皆さんにとっても、大変ワクワクする時になることでしょう。

 

重要なのは、今日のカスタマーサポートのように、カスタマーサクセスが強力な武器になった暁は、新規参入を狙う企業にとり新規カスタマーのリストを増やすこと自体とても困難な挑戦になるという点です。

 

現代経済においてベンダーのスイッチコストがいくら減少したといっても、既に成功して一定の支持を確立した企業は既存カスタマーと良好な関係を構築しているため、新規参入者にとってはそれが恐ろしく高いハードルになります。

 

加えて、やがてカスタマーサクセスは創業初日から必須な機能になります。そうなると、新規参入者の参入コストは上がり利幅は落ちます。そうなった時は、その曲線の先端に居続けること自体が新たな、ゾクゾクするほど難しい挑戦になることでしょう。

 

(原文)

 

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