G-ガイド #04 カスタマーライフサイクルとは

Gainsight社の豊富な資料の中からカスタマーサクセス初心者に向けたガイド “The Essential Guide” の和訳版を「G-ガイド」と名付けてシリーズでお届けします。

 

#01 カスタマーサクセスとは
#02 チャーンとは
#03 カスタマーサクセスの指標とは
#04 カスタマーライフサイクルとは ←今回これ

 

注:Gainsight社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


現代に生きる私たちの生活はとても複雑・厄介です。 消費者である私たちは、企業やブランドからのメッセージ砲撃を常に受けていて、プロダクトやサービスを購入・利用する方法は常に新しい選択肢が生れて、どんどん複雑になります。

 

結果、営業ファナルも複雑になりました。 お客様のライフスタイル同様、カスタマーのライフサイクルは複雑・厄介になってしまったのです。

 

その複雑・厄介なカスタマーライフサイクルを、あらゆる事業に適用可能なたった1つのモデルにすることは不可能です。ですがそれでも、専門家は大半の企業に共通する基本フェーズを定義しています。

 

アメリカンエクスプレスのオープンフォーラムの定義に基づく基本フェーズそれぞれを見ていきましょう。

 

第1フェーズ: リーチ

一般的に「探索」や「認知」とも呼ばれるこのフェーズは、カスタマーライフサイクルの出発点です。実はカスタマーがあなたの事業やブランドを一番最初に知った正確な時点を知るのはとても難しいです。カスタマー自身も、それがいつだったか認識するのは難しいでしょう。

 

「リーチ」経路の追跡

 

マーケティングの観点では、なるべく正確にその出発点がいつだったのか追跡することが重要です。出発点がわかれば、ブランド認知やリーチを上げる上でどの紙媒体やデジタルマーケティング施策や広告が最も効果的だったかが分かるからです。それらが分かる指標をチェックすることで、継続投資に値する費用対効果のよいキャンペーン施策を特定することができます。

 

アメリカンエクスプレスオープンフォーラムによるリーチ経路の追跡方法です:

 

・自社ウェブサイトを初めて訪問する時の最も一般的な検索語を特定する

 

・訪問データをモニタリングする(例:新規訪問者、リピーター)

 

・ソーシャルメディアを分析しオンライン評価を把握する(特に新規フォロワー、初ユーザーインタラクション)

 

・展示会やイベントで質問調査する(例:XXという事業名やブランド名を聞いたことがあるか)

 

・PPC(pay-per-click)やAdWordsデータを分析する

 

・既存カスタマーと見込み客に対しどうやって自社のことを知ったのか調査する

 

第2フェーズ: 獲得

見込み客(お魚)が大勢いそうな釣りぼりを特定できたら、今度は実際にコンタクトを始める番です。あなたのミッションは、リーチ先から具体的な見込み客、即ち「リード」を発掘することです。

 

Tech Targetによるとリードとは「自社のプロダクトやサービスに興味のある個人や組織」のことです。

 

一体どうやってあなたのブランドやプロダクトを “知っている” だけの人を “興味がある”人へと変換するのでしょう?

 

ベーシックですが有効な方法は「インタラクション」と「エンゲージメント」です。具体的には電話やEメールや他のオンラインメッセージでコンタクトすることです。

 

ただし、単にコンタクトすればよいというものでなく、適切な頻度で適切な相手へコンタクトしなければなりません。Eメールを 無差別・大量に送りつける時代は終わりました。今の消費者はマーケティングコミュニケーションの砲撃と毎日戦っています。もしマーケティング活動が積極的過ぎたり、メッセージ送信頻度が過剰だと、消費者は簡単に離れていきます。

 

一方、この段階で潜在カスタマーを放置したり、注目されないメッセージを送ってしまうと、それはそれで消費者は簡単に離れていきます。要はバランスのとれた行動がとても大事なのです。

 

この難関を突破するには相手をよく知ることが重要です。相手のペルソナを特定し、それに合わせたメッセージを作りましょう。

 

以下の質問を自問して下さい:

 

・彼らは何に興味がありますか?

 

・彼らをやる気にさせることは何ですか?

 

・彼らのゴールは何ですか?

 

・彼らの抱える課題や問題は何ですか?

 

・彼らはどこに情報を取りに行きますか?

 

このような質問への答えをコミュニケーションにおける基本ルールとして活用します。もしも相手がカスタマーになる前に何らかの価値を提供できれば、彼らがあなたの事業の末永いカスタマーになってくれる可能性が高いです。

 

また、よりパーソナライズしたメッセージを送信することができれば、逆にあなたのプロダクトに適さないカスタマーへ無駄に時間やエネルギーを使ってしまうことを避けられます。

 

リードのデータベースが充実していくのを見るのは嬉しくてワクワクします。潜在カスタマーが増えれば、将来の既存カスタマーが増えるから良いことですよね? ー ある意味Yesですが、注意も必要です。

 

Sixteen Ventures社が説明する問題点
プロダクトに適さないカスタマーの関心を引き、見つけ出し、獲得してしまうと、後々自分が辛い時間(収益性が落ち、彼らの問題へ対応したり満足させるのが難しい、など)をもつばかりか、そのカスタマーにも辛い時間をもたせてしまいます。

言い方を変えると、リード創出率が高ければ高いほど、カスタマーサクセスが上手く進む可能性が低くなり、長期的に大きなコストが必要になります。

 

「獲得」経路の追跡

 

このフェーズでは潜在カスタマーがリードへ変わる時点を比較的特定しやすいので、具体的データの追跡は(他フェーズに比べ)やり易いです。俗に言う、数値で成功度合いを測定したいマーケターが注目するフェーズです。

 

CIOは説明します:
従来のマーケターはカスタマーライフサイクルのかなり初期フェーズに注目しました。特にブランド認知やリード創出のフェーズです。

従来のマーケターの仕事は、営業担当が売上に繋げるためのリード案件リストを充実させることが主目的でした。

 

KISSmetrics社によると「獲得」フェーズを測る指標は「何(What)」と「誰(Who)」2種類です:

 

・「何(What)」を分析するツールでは、トラフィック、閲覧ソース、紹介の追跡、イベントやゴール追跡の設定などが可能です。これらのデータポイントを追跡する最も一般的なツールは恐らく Google Analytics です。

 

・「誰(Who)」を分析するツールでは、誰が自社サイトを見たか?、会員登録する前後で何をしたか?、自社サイトはどう利用されているか?といったことが分かります。

 

 

両方の指標を採用するのが理想です。しかし追跡したいデータポイントを具体的に特定するのは、言うは易しで実はとても難しいことです。

 

KISSmetrics社は「あらゆる指標をすべてモニタリングするのは不可能です。最適な指標をモニタリングしましょう」とアドバイスします。

 

どの指標が最適か知るには、まずゴールを明確に定義する必要があります。

 

KISSmetrics社によれば、ゴールは比較的に簡単で、要は「カスタマーを獲得する」ことです。そこからファナルを逆算して解明していきます。通常、ファナル最上部はEメールアドレスの入手で、そこから無料お試しメールへ続き、最終的にお試しユーザーが有償カスタマーに転換します。

 

この3段階それぞれ主要指標で測定します。例えば、Eメールアドレス数、そしてそこから有償カスタマーへ転換した割合などです。

 

主要指標それぞれが、ファナル上のどのフェーズのもので、 その数字がゴールに対しどれだけ影響するかを明白にして下さい。つまり、ゴールへ到達する迄に脱落していくソーシャルのファンやフォロワーなどの “水増し” 指標を排除すべしということです。

 

なお、マーケティング指標の実績測定は、潜在カスタマーがリードへ転換する時点、リードが角度の高いリードへ転換する時点で終了しないことに注意してください。

 

CIOは指摘します:
平均的な業績の企業は、リード件数や問い合わせ量を増やすような、認知獲得やリード獲得の活動に時間や予算を費やします。

対照的に実績の高い企業は、カスタマーのライフサイクルをより全体視点でとらえる活動に予算を使います。彼らが活用する指標は、リード件数だけでなく、メール回答率や、営業リード件数、優良リード件数などです。

 

第3フェーズ: コンバージョン

コンバージョンは非常に重要なフェーズです。言い換えると、営業が成功して見込み客がカスタマーになるフェーズです。

 

このフェーズの成功の鍵は、プロダクトだけでなくカスタマーとの関係構築に注力することです。特にB2BのSaaSソリューションに興味を持つ人は、単なるサプライヤーでなくパートナーを探しています。

 

「コンバージョン」経路の追跡

 

コンバージョンは基本的に、カスタマーがプロダクトやサービスの利用料金を実際に支払う時に起きます。Sixteen Ventures社は「カスタマーが便利だと思う支払方法を用意することが重要」と指摘します。

 

重要なコンバージョン指標はコンバージョン率です。それはリードのうち実際にカスタマーになったのが何%かが分かる指標です。

 

コンバージョン率 = (受注件数 ÷ リード件数) × 100

 

例えば、100件のリードから30件の契約をとれたなら、コンバージョン率は30%です。

 

その他のマーケティング指標、例えばサイト訪問件数などを使ってコンバージョン率を追跡することもできます。自社サイトを訪問してくれた人のうちプロダクト契約に至った件数を測定するのです。

 

コンバージョン率 = (受注件数 ÷ 自社サイト訪問ユニーク数) × 100

 

コンバージョン率は決して100%になりません。失注は確実におきます。失注時点で見込み客のカスタマーライフサイクルは終了です。でもそこで直ぐに蓋をして失注先を永遠に葬り去ってはいけません。

 

以下のような自問をして失注からの学びましょう:

 

・見込み客を失注した理由は何か?

 

・営業のミスはあったか?

 

・見込み客が離れるようなことをしたか?

 

・見込み客はプロダクトとフィットしていたか?

 

・見込み客がプロダクトを誤解した可能性はあるか?

 

こういった質問すべてを失注した時点で自問しましょう。さらに、今後の営業戦略やマーケティング戦略に活かすため、その情報をフォローしかつ保存しましょう。

 

第4フェーズ: リテンション

受注に成功しても、それでゲームに勝ったとは言えません。現代のカスタマーは強力な購買決定権と多くの選択肢を手にしています。デジタル時代は、カスタマーが他社へスイッチしたり二度と戻ってこないという事態は容易に起きます。そのためカスタマーと強い関係を構築することが何より重要です。

 

リテンションはいくつかのサブフェーズで構成されます。1つ1つ見ていきましょう。

 

4-1 オンボーディング

 

オンボーディングは受注後すぐ始まります。オンボーディングのゴールは、1日も早くカスタマーがあなたのプロダクトやサービスをサクサク使うようになることです。それは IDを付与すれば終わり、というほど簡単なことではありません。

 

プロダクトに関する説明やトレーニングをせず、単に使ってくださいと言っても、恐らく初めてのカスタマーは上手く使いこなせません。彼らにとりプロダクトを使うことがストレスになり、最悪の場合、購入したことを後悔することさえあります。

 

そうならないよう、カスタマーが初日からプロダクトをサクサク利用できるようチェックリストを作りましょう。そのリストには最低限以下の項目が入ります:

 

・カスタマーが旧システムから自社プロダクトを使う新システムへ移行したか(該当する場合)

 

・自社プロダクトの使用条件に合うようにカスタマー側の技術的設定を確認し必要な対応をしたか

 

・ カスタマーがプロダクトを使えるようになるのをサポートする自習プログラム、ライブ and/or オンラインのトレーニング、説明資料や電話コンサルティングなどを提供したか

 

 

チェックリストはオンボーディングプログラムのベースになりますが、決してカスタマーに対しこれを直接指示しないよう気を付けてください。

 

良いオンボーディングは、ただ単にリストをチェックすることでなく、最終的なゴール(例:カスタマーが自社プロダクトを最大限に活用する)に向かい努力することです。

 

オンボーディングプログラムを実行したら、その効果を測定し改善機会を把握しましょう。 例えば次のようなデータポイントを定点追跡するとよいです:

 

・新しいカスタマーがオンボードするまでに要した日数

 

・主要マイルストーンを達成するまでに要した日数

 

・オンボーディング中のカスタマーとのやり取り数

 

このような指標の平均値を継続的に測定し、時と共に改善しているか確認しましょう。テコ入れが必要な指標は更に注視して対策の効果を検証しましょう。

 

最後に、重要なのはデータを収集することではありません。あなたの活動に対するカスタマーの生の声をぜひ聞いてください。定性フィードバックからオンボーディングプログラムの穴を見つけることができます。それはデータだけでは発見できないもので、より良い意思決定に繋がることでしょう。

 

忘れないでください。オンボーディングはカスタマーにとってあなたのプロダクトや会社を初めて体験するフェーズです。オンボーディングでの印象が、残りのカスタマーライフサイクル全体の満足度に与える影響は大きいです。

 

4-2 サポート

 

オンボーディングを終えてカスタマーがプロダクトを利用し始めたら、次は、カスタマーが問題を抱えたり、質問してきたり、懸念があって問い合わせてくる場合に備え、コミュニケーション手段を用意することが重要です。

 

特に契約直後の最初の90日間は重要です。その間にカスタマーがプロダクトに価値を見い出さなければ、最終的に離脱する可能性が高いです。

 

Sixteen Ventures社は説明します
オンボーディングはカスタマーライフサイクルの中で大変重要なフェーズです。ここで彼らをトリコに出来る(彼らが何をしたいか、プロダクトを使って何を達成したいかは100%彼ら次第ですが)一方、彼らを永遠に失う可能性もあります。

 

要はチャーンに影響します。チャーンとは、既存カスタマーをどれくらい失ったか、彼らがどれくらい早くあなたの元を去ったかを示すものです。チャーンの大被害にあう企業は、エネルギーを新規受注に注入し過ぎる結果、カスタマーからお金を頂く機会を取り逃している企業です。

 

残念ながら、非常に重要な最初の90日間でさえ、サポートは受け身な形で提供されます。本来はカスタマーの重要マイルストーンに基づく能動的なサポートを提供すべきです。

 

Sixteen Ventures社は提案します
カスタマーから問い合わせを受け身で待ち、結果としてカスタマーが離脱したり、ユーザーが次に何をすべきか分からずオロオロしたりするのを良しとせず、カスタマーの全ライフサイクルを通じカスタマーへ積極的に働きかけるサポート機能をもつべきです。

 

積極的サポート機能は、最初の90日間が終わったとたん終了すべきでもありません。データをモニタリングしてカスタマーが抱える問題や将来どこから問題が起きそうかパターンを見い出しましょう。そうすればカスタマー体験に悪影響を及ぼす問題を事前に解決できます。

 

カスタマーサポートやカスタマーサクセスを全力で積極的に推進しても、カスタマーの問題やニーズを完璧に予測するのは不可能です。従って、カスタマーにオンデマンドでサポートを受ける方法を用意し、問題が起きたら速やかに情報を収集し、可能な限り解決策を速やかに提供できるようにしましょう。

 

最高のサポート体験を届けるには以下のデータを常に追跡すべきです:

 

・チャネル別のサポート総量
これを把握できれば、人材配置を適切な水準に保ち、カスタマー体験が最適化されるチャネル戦略をとれます。例えばWistia社はウェブサイト上にサポート電話番号の掲載をやめました。調査の結果、電話よりメールによるサポートの方がカスタマー体験が良かったからです。

 

・応答時間
カスタマーはほぼ全員、サポート部門へ問い合わせをしてから数時間以内に返信があることを期待します。最低でも問い合わせから24時間は応答時間を追跡すべきです。返信に丸1日以上かかる場合、カスタマーの満足度に悪影響が出ます。

 

・初回問い合わせ解決率
より少ないやり取りで問題が解決するほどカスタマーの満足度は上がります。特にカスタマーがサービス部門に初めて連絡してきた時の解決率は高い水準になるよう注力すべきです。

 

・問い合わせ時の遅延や放置率
カスタマーが電話やオンラインチャットで連絡してきた時、受け付けにどのくらい待たせますか?もし5分以上かかるならトラブルに繋がります。もしサポートを得られず放置されるカスタマーが大半を占めるなら、より大きなトラブルに繋がるでしょう。

 

・感激する瞬間
問題が解決して喜ぶ瞬間はとても重要です。喜びの瞬間をもっと増やすにはどうしたらよいか解明することは重要です。満足度の高いカスタマーは口コミ紹介や良い評判を伝搬してくれます。ユーザーが「わぉ」と喜ぶ瞬間にサポート担当者が成功要因を記録することを忘れないでください。従業員トレーニングに組み込みましょう。

 

4-3 アダプション

 

最初の90日間のサポートがとても大事なのは、カスタマーがあなたのプロダクトを使い始めて間がない時だからです。つまり、あなたのプロダクトがカスタマーの日々の生活や仕事の中で必須な物になるかどうかの勝負の時ということです。

 

ちょうど四半期に相当する90日間に、カスタマーはあなたのプロダクトに明確な価値があるか判断します。その間にカスタマーがプロダクトを正しく使いこなせなければ、結果として価値は見いだされません。ROIなどの結果が出せなければ、カスタマーがあなたのプロダクトを利用し続ける(=契約更新する)動機は生れません。

 

従って、カスタマーがプロダクトをどれくらい使っていて、それで何をしていて、結果として期待成果のマイルストーンに近づいているのかどうかを追跡する、即ちアダプション状況をモニタリングすることがとても大事です。

 

どのデータポイントを追跡すべきかの感触を掴むには、チャーンを掘り下げることから始めましょう。残念ながら離脱したカスタマーを特定しましょう。離脱したのは彼らがプロダクトから期待した価値を得られなかったためです。なぜ彼らは価値を見い出せなかったのか?状況を改善するためあなたは何をしましたか?

 

既存カスタマーの利用状況を把握するには、ログイン情報を入手するのが最も簡単です(プロダクトを利用するためにログインする必要がある場合ですが)。カスタマーが頻繁にログインしていなければ、ROIが改善する機会は少ないでしょう。

 

次にカスタマーがプロダクトのどの機能を最もよく利用したかみてみましょう。あまり高い価値に繋がりにくい基本機能だけですか?それとも、他のプロダクトにスイッチし難くなる「それ無しでいられない(Sticky)」機能でしょうか?

 

こういう点を解明できれば、アダプションフェーズでどういったカスタマーサクセスの取り組みをすればよいのか決めやすくなります。

 

利用状況を追跡するデータの取得には2つの方法があります。

 

・ユーザー、企業、期間ごとのアプリ利用状況データをデータベースやデータウェアハウスに提供する

 

・自社サイト上のページビューや閲覧行動 (例:特定のリンクやボタンをクリック) の履歴をとるための追跡コードを使う

 

後で使えない単独指標が多いと戦略を策定する時にあまり役立たないので注意してください。むしろプロダクトの利用状況データのトレンドに注目しましょう。つまり利用状況データをある1週間だけ取得するのでなく、同じデータを30週間とり続け常に過去データと比較するということです

 

4-4 エンゲージメント

 

カスタマーを満足させたり成功させる唯一の方法は、彼らを”エンゲージ”することです。

 

下記の方法で満足度をモニタリングすることも含みます:

 

・ネットプロモータースコア(NPS)調査

 

・カスタマーヘルス / 幸福度指数

 

・カスタマーアドバイザリーボード

 

・カスタマー訪問/支援プログラムの実施件数

 

エンゲージメント活動は、テクノロジーの力と人によるインタラクションを組み合わせることで価値が最大化します。テクノロジーはカスタマーとの関係を構築・改善する機会は知らしてくれますが、実際に価値を提供し続けることはできません。

 

カスタマーへ価値を提供し続けるには、コンバージョンとオンボーディングが終了した後も、継続して彼らとの関係を育んでいく必要があります。

 

下記はマストです:

 

・カスタマーと良い関係を構築・維持する

 

・適切なタイミングでこちらから連絡をとる

 

・カスタマーの気持ちに悪影響がでる前に問題を予測する

 

・ある機能やプロダクトがカスタマーへ価値を提供する可能性があると分かったら、アップセルやクロスセルを提案する

 

既存カスタマーのエンゲージメントマネジメントは、アダプションのフェーズから始めてください。最初の90日の後もプロダクトの利用状況や行動パターンをモニタリングし続け、データに基づき上述の事柄を行いましょう。

 

他の投稿での説明
こういう情報を統合してトレンドを理解することは、エンゲージメントの進捗を正しく把握し、更なるチャーンの改善や収益拡大の加速に向けて戦略的な行動をとる上で非常に重要です。

ソーシャルネットワークを掘り起して感情分析を用い、そのデータをモニタリングすれば、あなたの企業の評判を総合的に可視化することも可能です。

 

こういったデータを収集・分析することで、ターゲットをより絞ったメッセージを 、アプリ内メッセージ、ライブチャット、Eメール、電話などで発信できます。ユーザーが価値を感じるメッセージを優先順位に基づき絞り込んで発信すること非常に大事です。

 

ライフサイクル全体を通じカスタマーとエンゲージを深めなければなりません。その際、 エンゲージメントの重要要素はフェーズ毎に変わることに注意してください。つまり、使い始めて1週間のカスタマーと1年後のカスタマーとではエンゲージを深める方法が違うということです。

 

4-5: エクスパンション

 

既存カスタマーから取れる収益は最大限取りつくそうと、アップセルやクロスセルの機会を常に狙う企業は多いです。でもそういったやり方では良い関係が長続きしません。

 

なぜか?

 

ひたすらアップセルやクロスセルだけを考えて売り込んだ場合、カスタマーに更なる価値を提供できるかは未知数です。もし更なる価値が提供できなければ、これまで時間をかけて積み上げてきた信頼を全て失います。そうなったら彼らが去る日はそう遠くないでしょう。

 

そうでなく、カスタマーがプロダクトから得る価値を最大化することをゴールに据えて、その上で収益拡大を図りましょう。

 

Sixteen Ventures社は説明します
カスタマー体験を良くすることでプロダクトの基本機能が自然にどんどん利用されるようにし、新たな追加機能を採用してもらうことで理論的に収益拡大をめざし、更にそれが適切な場合は他の有用プロダクトも提案すること、それが正当法です。

 

繰り返します。 エクスパンションとは、カスタマーへ真の価値を提供する取り組みをデータを使い論理的に実施することです。

 

第5フェーズ: ローヤルティ

 

既存カスタマーが全員このフェーズへ進むことが理論上の理想です。このフェーズでは、カスタマーはあなたのプロダクトに満足しているだけでなく感情的にも気に入っています。

 

ローヤルカスタマーは、オンラインや対面での評価、推薦、好意的コメントなどで、あなたのプロダクトのことを周囲に伝えてくれるブランドアンバサダーです。それはあなたの想像以上に多くの新規カスタマーを惹きつける物凄い力を発揮します。

 

Sixteen Ventures社は説明します
他社による推薦はとてつもなく強力です。あなたが求める理想カスタマーになりそうな見込み客が、他社があなたのプロダクトを使って上手くいっているのを見知ったなら、それはあなたが何か言ったり約束したりする以上の、何にも勝る証拠として威力を発揮します。

 

「ローヤルティ」の追跡

 

カスタマーのレビューや評価を注意するのに加え、チャーン率や更新率のような、リテンションを測定する方法を使うことでローヤルティを追跡できます。

 

もしすべてがいい感じであれば、契約更新は何の問題にもなりせん。言い換えれば、同じだけの収益が継続的に入り続けるでしょう。あるいは拡大戦略に成功すれば、時と共に収益がアップさえするでしょう。

 

加えて、紹介プログラムを用意しその利用度を追跡すれば、ローヤルティの脈拍を常に把握できます。紹介プログラム専用の新規登録ページを用意するのもよいでしょう。紹介プログラムは、上手くいけば素晴らしい成果をもたらします。特に紹介者や紹介を受ける方それぞれに報酬やインセンティブがある場合の効果は絶大です。

 

もしそういうプログラムを運営するリソースがない場合、通常の新規登録ページに紹介者の名前の入力欄を用意するとよいでしょう。その場合、営業チームに、あなたの会社のCRMシステム上で紹介者情報を記録しもらうことを忘れないでください。

 

 

以上、カスタマーライフサイクルを見てきましたが、壮大な大作ですね!

 

もしも圧倒された気分になったとしても心配しないで下さい。カスタマーライフサイクルに取り組む最善の方法は、人生のように1日1つのこと地味に行うことです。

 

もしデータポイント毎の日々のデータを追跡していない場合、ここで紹介したデータ駆使型のアプローチは一部実行が難しいかもしれません。カスタマーライフサイクルのマネジメントは、データ収集と分析ができるようになった時に適したアプローチです。

 

そして是非、データサイエンスをあなたのバイブルの基礎にしてください。システムやソフトウェアを上手く使ってカスタマーサクセスのデータを追跡・測定し、エンゲージしたカスタマーがローヤルカスタマーに成長するのを見守ってください。

 

(原文)

 

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