ヘルススコアは役に立たない?!:カスタマー成熟度指標/マチュリティインデックス

誰もが重要性を信じて否定しない指標「ヘルススコア」。大胆にも、実は役に立たないかもしれない!と主張する記事をご紹介します。

 

著者のボアズさんは、起業経験豊富なシリアルアントレプレナーであり、かつカスタマーサクセス業界の著名人でもあります。特にヘルススコアの経験に基づく実践論や今回ご紹介するマチュリティモデルなどで一目おかれる存在です。

 

今記事でボアズさんが紹介するのは「カスタマー成熟度指標(マチュリティインデックス)」。米国でも新しいこの概念は、現場から生まれただけあり、カスタマーサクセスを日々実践している方には受け入れやすいと思います。ぜひトレンドを先取り活用してください!

 

注:Strikedeck社の許可を頂き原文の和訳を紹介します。


 

カスタマーとの関係の健全度(ヘルス)を測定する

カスタマーヘルススコアとは、カスタマーとベンダーとの関係の健全度(ヘルス)を測定し、その方向性(チャーンしそうか、それとも契約更新してくれそうか、はたまた、エクスパンションできそうか?)を予測するものです。

 

カスタマーヘルススコアは、カスタマーのセグメント分類と共に利用された場合、特に有用です。

 

最強のカスタマーサクセスチームは、カスタマーの規模、成長ステージ、物理的場などの軸に基づきカスタマーをセグメント分類しますが、見落とされている決定的に重要な軸は「カスタマーの成熟度」です。

 

カスタマー成熟度指数(Customer Maturity Index; CMI)とは、カスタマーがその機能/事業としてどれだけ洗練されていて、結果的にベンダーのソリューションの価値をどれだけ上手く活用し成果を出せるかの能力を測る尺度です。

 

1.課題:現状のカスタマーヘルススコアは役に立たない

 

カスタマーヘルススコア(以下「ヘルススコア」):

ヘルススコアは、カスタマーサクセスの責任者やマネジャーらにとり大変重要な指標です。

 

あらゆるカスタマーサクセスチームがその指標を測定し、あらゆるカスタマーサクセスマネジャー向けプラットフォームソリューションではダッシュボード上部にその数字を表示します。ヘルススコアは、カスタマーサクセスの究極の指標であり、ベンダーとカスタマーとの将来の関係性(チャーン or リテンション)を測る最良の予測指標に位置付けられています。

 

大抵のヘルススコアは、プロダクトの利用状況レベルと、両社のやり取りレベルの両方に基づいて定義・算定されます。カスタマー満足度評価、NPSの数字、収益上の関係度をヘルススコアの計算式に含める企業も多いです。

 

カスタマーサクセスマネジメント向けプラットフォームの主要ベンダーによると、ヘルススコアの測定に用いられる項目のほぼ100%が相対的なもの、すなわちベンダーとカスタマーの関わり(個人レベル、収益レベル、プロダクト利用レベル etc.)のみに基づくそうです

 

カスタマーセグメンテーション:

上手く機能しているカスタマーサクセスマネジメントの核となるのはカスタマーのセグメンテーションです。カスタマーをセグメント別に分類することで、カスタマーサクセスチームがカスタマーをよりよく理解し、彼らを成功に導く活動を推進できるのです。

 

セグメント分類でよく用いられる軸:

・規模: 中小企業(SMB)、中堅企業、大企業 など

・ステージ: オンボーディング中、オンゴーイング中 など

・物理的場: 米国、EMEA、APAC、または東海岸、中西部 など

 

より深い洞察を得るため、業界セグメント分類(通信、小売り、自動車 など)をする場合もあります。

 

セグメント分類に基づくヘルススコア:

上述の分析を組み合わせることで、カスタマーサクセスチームはカスタマー群に関するより詳しい見立てを得られます。また、特定の業界セグメントに紐づけたヘルススコアを手に入れることもできます。各セグメントのヘルススコアをベンチマークし、時の経過に応じたデータから傾向値を把握できたなら、そのデータは大変有用なものとなり、より良いネクストアクションにつながる可能が高くなります。

 

しかしながら。

 

たとえば今、セグメンテーションに基づくヘスルスコア改善策を検討するとしましょう。その時の前提はこうなります:同じランクのカスタマーには同じ施策が効果的です。これ、正しいですか?

 

ヘスルスコアには何かが欠けていて、もっとアクションに繋がるものであってよいはずなのに、残念ながらレポート上の「参考値」程度になっていませんか? ヘルススコアは全く数字同じだけど、状況が全く異なるため、全く異なるアクションが必要なカスタマーを複数担当した経験はありませんか?

 

実際にあった事例

私たちの経験から生まれた実例を紹介しましょう。

 

マッシリー社は、スタートアップから大企業に至るまで、多様な業界のカスタマーにAPIマネジメントソリューションを提供する会社です。

 

以下は、ヘルススコアが全く同じカスタマー2社(A社、B社)の話ですが、この2社の基本課題は全く異なりました。ちなみに両社とも、米国西海岸に本拠を置く大企業で、長年にわたる関係が構築されており、規模や物理的場は全く同じでした。

 

A社

大規模な小売業者です。マッシリー社のマルチテナントプラットフォームを活用することで、複雑なインフラストラクチャに対する多様な需要をサポートに要する費用と要員を削減しながら、モバイルアプリの展開と活用余地を向上させました。

 

ヘスルスコアは非常に高く、主な基準値は以下の通りでした:

・プロダクトの利用状況が非常に高い(API数、APIコール数 など)

・カスタマーのチーム(役員レベルから実務者レベルまで)のメンバーと非常に良い関係を構築している

・サポート履歴が素晴らしい; 応答時間と解決時間の両方でSLAを超えている

・一連の追加プロジェクトが手堅く進行中(即ちプログラムのエクスパンションスコアが高い)

 

B社

大企業向けにリアルタイムな情報を提供する情報管理プロバイダーです。マッシリー社のプラットフォームを利用することで、接続性がよく管理も容易なことから多様なパートナーや顧客がオンデマンドでシステムにアクセスできるプロダクトを提供しました。

 

ヘスルスコアは非常に高く、主な基準値は以下の通りでした:

・プロダクトの利用頻度が非常に高い

・組織全体における複数階層で強力な関係を構築している

・プログラムをエクスパンションした実績

・サポート履歴は手堅く、CSATも高い

 

2社ともヘルススコアは非常に高い点が同じにもかかわらず、彼らを成功に導き、関係性を維持し、事業を成長させるために必要なアクションは劇的に異なりました。それは、私たちと彼らと関与レベル、すなわちヘルススコアとは全く関係ない、彼ら自身のマネジメント能力の成熟度における特徴が異なるためでした。

 

企業A

・単一オフィスが事業を統括

・単一事業を専業として推進

・既存事業が成長の核

・非常に有能なプロ集団の経営チームが存在

・彼らは達成すべきゴールを正確に理解し、それのための行動計画をもっている

・彼らはベンダーに対し、彼らが必要とする機能、サービスレベル、質の高い運営を強く要求する

・たとえば、私は自分のiPhone画面に誰であろうと彼らのVPの名前が表示された場合、何をおいても彼らの要求に最優先で取り組み回答しなければならなかった

・つまり、彼らとの良い関係を維持するには、高まり続ける要求に対応し続けることがマストだった

・四半期レビュー(QBR)では、彼らは常に我々に最大限の準備を要求し、過去の成果を定量化して説明するとともに、今後のプロダクトロードマップに関する深い議論をファシリテートすることも要求した

・これらの要求をすべて受け入れ実行する限り、契約全体の成長を支える潜在的な新規プロジェクトは増え続け、カスタマーは当社のソリューションからより多くの価値を引き出すことができ、結果、収益を増やすことができた

 

企業B
・全米に分散する複数のオフィスが事業を統括
・全く異なる3つの事業を展開
・3事業は、買収・統合されて以来、それぞれが成長の核を担う
・経営チームは、全く異なる事業出身者から成る、少数精鋭とは言えないチーム編成で、各人の技術への理解度と実行能力には大きなバラつきが存在
・加えて、事業の統合化へ依然相当のエネルギーを投入する必要があった(全く異なるシステム、技術、チーム、顧客タイプ、業務手続きなどの統合)
・我々のソリューションを活用してもらうには、我々の対面にいるクライアントチームが、他の事業部門に対し、同ソリューションを活用する理由を説明し・納得してもらい・利用促進してもらうのをサポートすることに全力集中する必要があった

 

つまりB社では、私たちのサービスの価値、それを使うべき理由、ベンダーの共有が自分にとりどんな価値があるのか、などについて、他の事業部門のさまざまなチームを教育する必要があり、そのために多大な時間とエネルギーを割く必要がありました。

 

その際、事業が異なれば、異なる特徴・価値を強調しなければなりませんでした :

我々のAPI管理ソリューションをただ単に導入するためだけに非常に「基本的な」能力強化を必要とするチームもありました。

 

四半期レビューでは、そもそも日程調整から相当な奮闘を要しましたが、他の事業部門のチームに対しソリューションの活用を促進するために、我々が対面のクライアントチームに対し、他にどんなサポートができそうか、現行利用してくれている既存チーム内でエクスパンションを図るための追加予算をどう確保できそうか、などが議論の焦点になりました。

 

2.理由:カスタマーサクセスの進化

カスタマーの成熟度評価の重要性についてお話しする前に、これまでカスタマーサクセスの専門職がどう進化と改善を続けてきたかを振り返ってみましょう。ここ数年、カスタマーサクセス分野の議論は成熟の域にはいり、用語や指標や成功要因などに関する微妙な違いについても深く理解され始めています。

 

たとえば昔は、カスタマーサクセスと顧客満足度(CSAT)とが同義でない理由を説明する必要があったことを思い出してみてください。

 

CSATは、カスタマーと強固で持続的な関係を構築する上で非常に重要な指標ですが、CSATはカスタマーの感情であり態度であって、目の前のカスタマーに具体的インパクトをもたらすものではありません。CSATは、それ自体が意味を持たない抽象的な数字(たとえば「47」または「75%」)として測定・表示されるものです。

 

一方、カスタマーサクセスは、カスタマーが我々のソリューションから最終的に得た価値を測るものであり、結果として我々ソリューションベンダーもそこから価値を得ることができるものです。したがって、大抵は金額で測定・表示されます。CS vs CSAT に関する質問は、もはや道の端に置かれています。

 

こうして我々は、ソリューションからカスタマーが得る価値に注目し、ベンダーがその契約から得る価値とは切り離して、カスタマーが得る価値を追跡するようになりました。

 

アダプションの測定値(カスタマーによるソリューションを活用した活動の状況)と、そこからカスタマーが得た価値とを切り分けるのは正しい行為です。カスタマーがソリューションから得た”成功”は、ベンダーがその関係から得る価値の重要な先行指標であり、かつ強力な予測指標でもあることは、今や多くの企業にとり当然のことと認識されています。

 

3.解決策:カスタマーの成熟度を測定しカスタマーサクセスのアクションを決める

カスタマーサクセスの進化における次のステップは、ヘルススコアが唯一の包括的指標でないことをまず理解することであり、かつ カスタマーの成熟度指標(Customer Maturity Index)を測定しそれに応じた施策を決めることです。

 

即ち:効果的にカスタマーサクセスをするには、カスタマーの成熟度評価が必須です!

 

なお、成熟度という概念はビジネス界において決して新しいものではありません。最も一般的な使用例:

・ソフトウェア開発チームはCMMI(CMUのCapability Maturity Model Integration)プロセスを適用

・プロセス管理者は、PEMM(Hammer’s Process and Enterprise Maturity Model)を推進する

・営業チームは、見込み客が自社ソリューションを利用可能かどうか評価するため、ソリューション活用能力の評価基準を適用する

 

そして今度はカスタマーサクセスチームが、この成熟度というコンセプトをヘルススコアやその他のリテンション/エクスパンションモデルに組み込む番です。

 

(ここまでのまとめ)

ヘルススコアは、カスタマーとベンダーの関係の健全性を評価します。状況を改善し、課題を克服し、活用し、将来の方向性(例:チャーン、更新、エクスパンション)を予測して、施策を決めることが評価の目的です。重要なポイントは、ヘスルスコアを規定する要素がすべて、カスタマーとベンダーの2者間の相互作用に基づいていることです。

 

一方のカスタマー成熟度指数は、事業推進者であるカスタマーの組織能力、即ち、カスタマーがソリューションを使いこなして価値を出せるかを評価するものであり、基本的にベンダーとの相互関係性とは切り分けて評価します。

 

成熟度指標を測定する目的は、ベンダーがカスタマーのニーズに対応するために取るべき施策を決めることです。ニーズへの対応は、ベンダーの手に入る利益と関連しますが、必ずしも完全に一致しません。

 

事例:カスタマーマネジメントのソフトウェアベンダー

カスタマーサクセスマネジメント向けのソフトウェアソリューションでの例を紹介します。

 

同類のソリューションを展開する場合、クライアントは主にカスタマーサクセスチームなので、彼らの成熟度を評価する必要があります。カスタマーサクセスチームの成熟度を評価するには、チームの戦略と役割り、組織構造、プロセス、およびテクノロジーを評価することです。

 

未熟なチーム:

ソリューションの販売を検討している先のカスタマーサクセスチームが、ソリューションを使いこなすには未熟な可能性があります。既存顧客に対しハイタッチのサポートを提供するのに必要なだけのマネジャーしかいないかもしれません。

 

恐らく、カスタマーサクセス担当役員はおらず、結果として、明確な目標やプロセスもないかもしれません。このような場合、ソリューションの営業チームは、同チームを「不適格案件」とみなし、営業を控えることにします。

 

成熟度が中程度のチーム:

カスタマーサクセスに必要な基本インフラがまだ完全にセットアップされていないチームにとり、洗練されたカスタマーサクセスプラットフォームのツールは、圧倒され混乱するだけです。彼らは、非常に簡単な指標をまず確立するために手取り足取り指導を受けることから最も利益を得る状態です。

 

より洗練された効果的なテクノロジーの導入はチームをスケールさせるのに役立ちますが、彼らが今必要なのは、テクノロジー導入の前にまずは自分達のプロセスを開発することであり、そのための支援が必要になる可能性が非常に高いです。

 

そういうカスタマーは、ソフトウェアソリューションよりも、コンサルティングと教育をより多く必要としていることをベンダーであれば知っています。

 

成熟したチーム:

成熟したカスタマーサクセスチームは、タスクの自動化や1対多数のキャンペーン、コホート分析や、先行指標と遅行指標とを高度に組み合わせ、総合的に構造化された目標に対する実績レポートなどが可能な、洗練されたツールを必要としています。

 

おそらくコーチングや教育はそれほど必要なく、むしろソフトウェアを最大限に活用する素地が高く、ベンダーが提供できる機能の中でも最も堅牢で高度なセットを必要としています。

 

この例から言えるのは、カスタマーサクセスマネジメント向けプラットフォームのベンダーはカスタマーの成熟度を評価することがマストだということです。

 

ベンダー企業は、自社ソフトウェアをフル機能で販売し、”サービス”はなるべく提供しなくてすませるのに関心がありますが、基本コンポーネントを直ぐにも利用できるカスタマーがいる一方で、そもそも使いこなすまでや更に高度な機能を使えるようになるまでに多くのコンサルティング、トレーニングが必要なカスタマーもいます。成熟度が低いカスタマーは、成熟しているカスタマーとは全く異なる方法でマネジメントする必要があるというのは至極当然のことなのです。

 

カスタマー成熟度別にみた収益源の違い

下の図は、カスタマーの成熟度別に見た、カスタマーから得るベンダーの収益区分( ソフトウェア;青 vs. サービス;緑 )の違いを示しています。

 

 

2つのテーマ、「ヘルス」と「成熟度」を組み合わせて考えてみましょう。

 

我々は、カスタマーのセグメンテーションがヘルススコアへ影響を及ぼすことに異論はないです。たとえば、購入早々のカスタマーのヘスルスコアと過去3年ソリューションを使い続けているカスタマーのヘスルスコアとを一緒にするのは意味がありません。チームのタイプや業界が違えば、それを切り分けてヘルススコアの傾向値を把握する方がはるかにパワフルで実用的です。特に異なるチームが別々のセグメントを別々に管理している場合は確実にそうです。

 

カスタマーの成熟度を考慮せずにヘルススコアを評価することは、真の健全度を理解するという点では片手落ちであり、カスタマーの成功を促進するための対策を正しく判断できない可能性があります。

 

結果、カスタマーとの関係から得る金銭的および非金銭的な価値を最大化するのは困難になります。

 

4.カスタマーの成熟度評価のフレームワーク

カスタマーの成熟度を理解するステップは以下です:

 

1.成熟度につながる要因を決める

2.効果的なカスタマー成熟度指数(CMI)を計算し、

3.ヘルススコア × 成熟度に応じた打ち手/施策を決める

 

カスタマー成熟度指数の計算方法

カスタマー成熟度の定義は、ビジネス特有の作業です。 たとえば、営業チームの成熟度評価に必要な要因は、開発チームのそれとは異なります。カスタマーサクセスチームのそれとも異なります。独自のヘルススコアを開発するのと全く同じように、独自のカスタマー成熟度の評価指標を開発する必要があります。

 

具体的には以下4つの手順に従ってみてください。

 

ステップ1:成熟度を規定する要因を特定する

成熟度指標は、包括性、簡易性、そして柔軟性を兼ね備えるべきです。そのためには、4つのコア特性によって成熟度関数を定義することをお勧めします。これらの方法は、PEMMやCMMIなどの他の成熟度モデルで既に有効性が確立されているため、まずはそれを活用することを強くお勧めします。

それぞれの特性を評価する際、潜在的に複数の要因が関与する可能性があることに注意しましょう。

 

各特性は、3つの論点構造で定義します。それは、「機能(What)は何か」、「その機能はうまく実装されているか(How well)」、「その機能と他の影響要因との関係(relation)」に関するものです。質問の数は最小限に抑えつつ全体として包括的になるようにします。

 

ステップ2:成熟度を要素単位で定義する

成熟度を、各特性別にレベル1〜5の尺度で評価することをお勧めします。「1」は「非常に低い」で、「5」は「非常に高い」です。 下の表を参照してください。

 

下の図は、成熟度指数の評価構造における、特性、論点、質問、およびランク評価の例です。

 

最下段の列では、この例における各特性に対し選択された成熟度の総合点が示されています。

 

ステップ3:カスタマー成熟度指標を計算する

カスタマー成熟度指標を計算する準備が整いました。

 

測定プロセスをまとめると、以下のとおりです:

1. 4つのコア特性(役割、人材、プロセス、テクノロジー)別に複数の要因を定義する

2. 要因単位で成熟度を評価する

3. 要因の平均値として、各特性の成熟度を評価する

4. 4つのコア特性それぞれに成熟度評価上の重み付けをする

5. 総合点としてのカスタマー成熟度指標を計算する

 

ステップ4:カスタマー成熟度に応じた施策書を策定する

カスタマー成熟度は、ヘルススコアへ更なる意味づけをするために開発したかったことを思い出してください。つまり、2つの指標に基づいて行動計画が作られるようなシステムを開発すべきです。

 

下の4象限は、どのシナリオ・どんな目的で施策を考えるべきかとその優先順位付けに役立ちます!

 

ヘルススコア:低 × 成熟度:低 (左下:赤)

維持する価値がないかもしれないタフなカスタマーです。彼らとの関係が弱いだけでなく、彼らの事業も成熟していません。共に良い方向に変えるには相当の投資が必要です。

 

・意思決定:積極的にチャーンを促す

 

・施策:a)積極的にカスタマーとの関係を終了する、または b)カスタマーが自然にチャーンするようかける手間を最小限に抑える

 

ヘルススコア:低 × 成熟度:高 (右下:黄)

キープに値するカスタマーです! あなた(人 and/or プロダクト)との関係改善に向けた投資はベンダーの関係改善力を向上させます。カスタマーの事業は成熟しているので、あなたのソリューションを利用して価値を引き出す準備ができています。

 

・意思決定:ヘスルスコアの改善に注力する

 

・施策:a)プロダクトの利用頻度を増やす手段を定義する、b)カスタマイズされたプロダクトトレーニングを提供する、c)役員または実務者レベルのカスタマーと連絡をとり関係構築のために必要なことをする

 

ヘルススコア:高 × 成熟度:低 (左上:緑)

恐らくあなたにとり金のなる木です。彼らとの関係は良好なので、チャーンの可能性は低いです。しかし彼らの成熟度は低いので、少なくともサービスへの投資をしない限り、収益成長する可能性は低いでしょう。

 

・意思決定:維持。もしあなたが彼らにサービスを提供するリソースの余裕があり、かつその投資に関心があるなら、彼らはそうべきカスタマーの筆頭です。注意すべきは、ここで言う「投資」はプロダクトへのトレーニングなどでなく、彼らの事業推進能力を強化する経営コンサルティングです。サービス投資に興味がない場合、このようなカスタマーとの関係維持に向けた関与は最小限に留める必要があります。あなたの貴重なリソースを無駄にしないでください。

 

・施策:a)カスタマーに経営コンサルティングサービスを提供する、または b)パートナーに同じことを依頼する

 

ヘルススコア:高 × 成熟度:高 (右上:濃い緑)

あなたにとりスターカスタマーであり、あなたの支持者であり、プロダクトに対し良いフィードバックを提供してくれ、あなたを次のレベルに導いてくれるカスタマーです。あなたが愛するカスタマー、そしてあなたを愛してくれているカスタマーです!

 

・意思決定:エクスパンション AND 協働:彼らは事業も成熟しており、何よりあなた(のプロダクト)が大好きです。彼らと共に事業を拡大させ、同時に口コミ紹介もしてもらいましょう。

 

・施策:a)彼らと関われる、新しいユースケース、チーム、または地域を具体化する、b)ケーススタディを作る、c)自社主催のカンファレンスに招待する、d)紹介キャンペーンを協働で実施するなど

 

ヘルススコア×成熟度のシナリオに基づくより包括的なマトリックス評価構造は以下のとおりです。

 

結論

カスタマー成熟度指標は、カスタマーサクセスの数ある指標に関する先端分野です。これまで何か欠けていると感じながら、けれどそれが何なのかよくわからず、とにかく本能的に実施してきたことに関し、新しいフレームワークが誕生しました。ようやく私達はそれを手に入れたのです!

 

カスタマー成熟度指標を使うことで、カスタマーサクセスマネジャーは新しい視点に基づきカスタマーを理解でき、カスタマーの状況に応じたより実用的施策書を開発できるようになります。

 

ヘルススコアはカスタマーとベンダーとの関係に焦点を当て、ベンダーがカスタマーから価値を引き出すことを目的としていますが、カスタマー成熟度指標はカスタマーの客観的な事業遂行力に焦点を当て、彼らにとっての価値を最大限に引きあげることを目的とするのです。

 

(原文)

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